やりたいことを形に―コンテンツで町おこし―
宮野雪夏さん(映像学部3回生)
「太秦戦国祭り2010-Returns-リターンズ」(東映太秦映画村で開催)のPRイベント「上洛電車式」を企画・運営
1回生の時に東映太秦映画村で開催されている「太秦戦国祭り」の当日スタッフとして参加。映像コンテンツが人気である理由や実態を知りたかったのです。当時、「戦国ブーム」というのを知らなかった私は、実際に「オタク文化」と言われるものに触れてみて「購入後は消費者自身が自分で作り上げていくんだ」と実感。映像コンテンツの双方向性が見えてきました。
そこで、映像学部の授業で学んだことを活かして自分で企画・運営をしてみたいとも思い、2回生になってからスタッフとして本格的にこのプロジェクトに携わるようになりました。3回生になった今年は、これまでの経験を活かして、下級生にアドバイスをするサポートスタッフに。今回は初めての試みであるPRイベント「上洛電車式」を敢行。京福電鉄さん(嵐電)の協力のもと、イベントの公式キャラクターである「うじゅ」のヘッドマークを取り付けた電車が実際に運行されました。このイベントでは、大学職員の方の協力も得ながら、マスコミ各社へのリリース文の作成など新しい経験も。
9月26日(日)、27日(月)に開催した「太秦戦国祭り2010-Returns-リターンズ」では、スタンプラリーなど沢山の企画を用意しましたが、その中でも印象に残っているのが「上洛MAP」です。当日の来場者がどこから来ているのかを地図にまとめました。出来上がった地図を見ると、国内からだけでなく、イギリスやインド、イタリアなど海外からの参加者もいたので驚きました。中には、このイベントの取材のために中国から来ているメディア関係者もいました。様々な地域からたくさんの人が「上洛してきたんだな」と思いましたね。輪が広がっているなと実感しました。
3年間このプロジェクトに携わってみて痛感したのは、「組織運営」「企画実現」の難しさです。イベント当日はスタッフの割り振りが大変なので、マニュアルを作成し、情報を共有。運営がスムーズに進むよう努めました。常に「今、どこで何が起きていて、何が問題なのか」ということを察知し、全体を見通す力が重要だと実感しました。また、今年は去年以上に、自分たちがやりたいことを実行するだけではなく「参加者に楽しんでもらう為にはどうすればいいか」という事を1番に考えました。時間、スタッフの人数など限られた範囲の中で、「やりたいことを形にする」。これは難しいことですが、求められたものを組織の限られたマンパワーで実現できる様に、自分やスタッフのみんなのキャパシティを明確にした上で、責任感を持ち、物事の優先順位を考えていくことが大切だと学ぶことができました。
今後は、今回の経験を通して学んだことを就職活動や社会に出てからも役立たせたいです。
- 取材・文
- 船岡 知(政策科学部4回生)