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468 -  震災を忘れてはいけない

震災を忘れてはいけない

芳中奈生さん(生命科学部4回生)
地引 麻維子さん(薬学部3回生)

8月に行われた「岩手県宮古市災害ボランティア派遣」に参加

  • No.468
  • 2012年11月28日更新
今回の学生派遣は、ライフサイエンス研究会のメンバーが、「私たちの日ごろの活動経験をいかして被災地の人たちを応援できないか」と大学に提案したことから始まりました。これをきっかけに大学から声をかけられた6つの有志メンバーたちが、それぞれの個性を生かしたパフォーマンスを現地で披露することになりました。ライフサイエンス研究会は普段、地域の子供たちに、スーパーボールづくりや空気砲などの実験を通して科学の楽しさを伝える活動を行っています。今回はこの活動を被災地で行い、現地の子どもたちに科学のおもしろさを伝えてきました。また、学生団体Cubesは、草津市の小学生に向けた環境教育のイベント企画や、一昨年のクインススタジアム内のイルミネーションの飾り付けなど、ジャンルを問わず様々な活動をしています。今回は、昨年の気仙沼でのボランティアと同様に仮設住宅の空き地でドッチボールなどを行い、子どもたちと楽しい時間を過ごすことができました。




メンバーの多くが被災地に行ったのは今回が初めてでした。現地に着いてすぐ、地元のボランティアの方に案内していただき、津波で壊れなかった防潮堤の上から、1階部分がなくなっている建物やがれきの山が残る地域を見てまわりました。映像では何度も目にしていた光景でしたが、目の当たりにした時は胸が詰まりました。また津波により4階部分までが流されてしまったホテルに登り、当時そこから撮られた津波の映像も見せていただきました。津波によって、この地に暮らす人たちがどれだけの恐怖を味わったのか、その一部を実感し、鳥肌が立つ思いでした。

実は被災地に着くまで、「現地の人たちは元気を無くしてしまっているのではないだろうか、どうしたら喜んでもらえるのか」と不安な面もありました。しかし、現地で交流した子どもたちやお年寄りのみなさんのイキイキとした姿に、私たちが元気づけられましたね。
一方、普段は笑顔で元気いっぱいな子どもたちの中にも、津波で家が流されてしまったと話してくれた子もいました。
「次はいつ来てくれるの?」と無邪気に笑顔で話しかけてくれる子どもたちに、どう声をかけていいのか分からず、上手く返事をすることができませんでした。そのことが今でも心残りですが、活動を通じ、「ボランティア=力仕事や寄付」というイメージが変わりました。自分たちが楽しみながら、人々を巻き込んでいくことで、被災地のみなさんが喜んでいることもボランティアの一つだと、気づくことができました。



私たちは現地の仮設住宅で自炊をして生活をしたのですが、私達が聞いていた情報とのギャップもありました。たとえば、寄付された布団や物資が余り、山積みになっていました。現地に足を運んでみないとわからないことがたくさんありました。これから被災地にボランティアに行きたいと考える人もたくさんいると思います。私たちが現地で、人と接する時に心がけていたことは“安易な共感をしないこと”。
被災地の方々の思いを理解しようと、安易に相槌を打つことで逆に傷つけてしまうこともあると気づいたからです。でもその点を除いては、私たちも素の感情を出しながら接していました。

私たちが一番大切にしなくてはいけないことは“震災を忘れないこと”。だと思います。現地の方は震災を忘れられるのが一番怖いとおっしゃっていました。復興をみんなで支えるためにも忘れてはならないと思います。
日々の生活を不自由なく暮らせて自分には関係ないと思う人もいるかもしれませんが、同じ日本の中に、未だに不自由な生活で苦しんでいる人がいることを、私たちは常に自覚しながら生きて、行動を起こしていかなければならないと思いました。震災から月日が経っても被災者の方のためにできることはあります。
また、現地の方は、津波に対する危険意識が低かったことも死亡者が多かった原因の一つであり、もし津波が恐ろしいことを認識し、高台に逃げていたら助かったはずの人もいたのではと伺いました。震災は二度と起きてほしくないものですが、自然災害はいつ起こるものかわかりません。今回の震災を踏まえて、身近なところから自然災害への関心を高めていくべきであると思います。



―お2人に今後の目標をお聞きしました。

(地引さん)
今後もCubesの活動で岩手県宮古市にボランティアに行く企画があるので、この計画を成功させたいですね。また、友達からフィリピンやベトナムなど医者や看護婦、薬剤師の方しか行けないような発展途上国のボランティアに行った話を聞き、刺激を受けました。
世界を舞台にボランティア活動の幅を広げてみたいと思っています。

(芳中さん)
もうすぐ社会人になるので忙しくなりますが、何年経っても震災のことを忘れないようにしたいと思います。そのためにも毎月11日に、全国各地で行われている「福興カフェ」へ積極的に参加し、実際に被災地に足を運んだ人たちと共に、今後も被災地でできることを考えていきたいと思っています。福興カフェは現地で活動されていたボランティア団体の方々の呼びかけにより、各地で開催されているものです。誰でも参加できます。興味があれば、みなさんもぜひ足を運んでみてください。

【ボランティアに参加した団体・個人一覧】

学生団体cubes、ライフサイエンス研究会、出前ちんどん、ライフサイエンス研究会、足もみサークルOBAN、フラダンスサークル meahula
絵本読み聞かせ(個人で参加)




  • 取材・文
  • 岡戸 亜沙美(産業社会学部2回生)

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