「Rits Real Japan Project （以下：RRJP）」は、2014年3月10日から3日間、カナダのブリティッシュ・コロンビア大学（以下：UBC）で東日本大震災と福島第一原発事故の復旧状況と日本の魅力を紹介するパネル展示会「Japan Fair」を開催した（来場者は3日間で1000人を超えた）。RRJPは、立命館大学の2013年度UBC留学生らが留学期間中に発足した団体で、帰国後の現在も後輩となる留学予定者にむけて、活動の周知活動と団体への加入を呼びかけている。

代表を務める平岡さんは、日本が好きで日本の良さを外国の人々に伝えたいという想いがあった。留学先で出会った現地の人々は、日本に興味を持っていたが、彼らが知る“日本の情報”は必ずしも正しい情報ばかりではなかった。東日本大震災についても、さまざまな誤解から生じた“恐怖”や“不安”といったイメージを持った人が多くいた。「正しい日本を知ってほしい。日本の魅力を広め、興味をもってもらいたい」とRRJPを立ち上げ、23人のメンバーとともに「Japan Fair」を企画した。

 

「Japan Fair」は「東日本大震災被災地の現状」と「日本の四季と文化」の2つのテーマに企画を進め、パネル展示が行われた。「震災」は「地震」・「津波」・「放射能」のカテゴリーに分け、地震の規模や津波の高さなど具体的な数値を用いて正確な情報を伝えた。一方、「日本の四季と文化」では、季節ごとに四季折々の行事や旬の食べ物、サブカルチャーについて紹介した。イベント部署を取り仕切った有川さんからは「写真と映像のクオリティや配置を工夫し、想いがより伝わるようにと文章は手書きにこだわりました。」とのこと。


 
「Japan Fair」のもう一つの特徴は学生自身が運営資金を調達したことである。日系企業からは資金や商品の提供を、地元飲食店には広告協力を得ることができた。営業・広報を担当した寺下さんは「企業訪問はプレッシャーもありましたが『復興支援に役立ちたい』という一心でした。上手くいかないこともあったけれど、自分の問題点にも気づくことができました」と当時を振り返る。大学での学びを実践的に生すことができた上、それを復興支援につなげることができたと笑顔で語った。

 


2020年の東京五輪を見据えて「活動を通じてもっと日本を盛り上げていきたい」、3人共通の想いだ。彼らは多くの外国人が訪れる未来の日本を描いている。「業種や職種を問わず、将来は日本の技術や日本人の能力を海外に発信するような仕事につきたいですね。」と平岡さん。日本人のアイデンティティを受け継ぐ彼らの“Let people know real Japan”はこれからも続いていく。





副代表・三木絵未奈さん（国際関係学部3回生）のコメント　
【写真右から二人目】

この企画を通して得られたメンバー間の絆、成長、達成感は私たちの想像をはるかに超えていました。日本や震災復興に対する思いもさらに強くなったと思います。ぜひ後輩にも引き継いでほしいので、今後は活動の拡大に向け、サポートしていきたいです