知らない世界に飛び出そう!~小豆島の地域おこし~
松宮 かおるさん (2013年度 理工学研究科博士課程後期課程修了)
守口 拓也さん (理工学研究科博士課程前期課程2回生)
木下 淳史さん (理工学研究科博士課程前期課程2回生)
茨木 香穂里さん (理工学研究科博士課程前期課程1回生)
小豆島にて、旧小学校舎を農業と自然体験型ツアーの拠点として再生
2012年6月、小豆島地域おこし協力隊の方から松宮さんが依頼を受けて「小豆島地域活性化プロジェクト」が始動。地元関係者と協力し、かつての小学校を「ファームステーション」として改築、地域農業・交流の活性化を図る。松宮さんは研究室の後輩を中心にメンバーを集め、「しょうどしまーず」というプロジェクトチームを組織し、小学校舎横スペースを利用したハーブ園の企画・製作を担当した。今月、2年越しの計画がついに実現し「ハーブステーション・香の郷」としてオープン。中心メンバーの4人にお話を伺った。
「自分の世界を広げたい」との思いから始めたこのプロジェクト。あれから2年が経ちました。「しょうどしまーず」は、これまで延べ28人のメンバーで活動してきており、島民の方たちとの意見交換は10回以上にもなりました。それに加えて、毎週の学内ミーティングや製作のための小豆島訪問を繰り返し、ようやく完成にこぎつけました。
私たちが担当したのは、ハーブ園の企画・製作です。「ファームステーションの横にある小屋を何かに使えないか?」という会話から始まって、「小豆島の名産であるハーブを落ち着いて楽しめる空間」をコンセプトに製作を始めました。ハーブ園と言っても平面的にハーブを植えるのではなく、天井の高さまで重ねた花壇ユニットでテーブルと椅子を囲い、ハーブの壁に囲まれた部屋のようなイメージで製作しました。椅子に座ってゆっくりハーブを鑑賞したり、好きなハーブを摘んでフレッシュなハーブティーを飲んだり…と、いろいろな楽しみ方があると思います。

完成までには、模型や実物大サンプルを使って現地の方へプレゼンをしたり、意見を取り入れて改善したりと試行錯誤の連続でした。ただ、こうした苦労を通じて地元の方と深く交流できたことは大きな魅力だと思います。例えば、プレゼンの後には必ず懇親会を開いてくださり、地元のおいしいご飯とお酒をご馳走になったり、夜遅くまで楽しく語り合ったりしました。また、よく島を案内していただいたので、美しい海と山、農村歌舞伎や祭りなどの文化、醤油や素麺・石材といった産業など、ガイドブックには載っていない小豆島の魅力を味わうことが出来ました。何度訪れても新しい発見のある小豆島が、初めて訪問したときよりももっと好きになりました。
それにメンバーとの交流も深まりましたね。集会所の大広間を借りて寝泊りし、食事も自分たちでつくったので、製作中はまるで合宿のような気分でした。ハーブ園に使う木材を自分たちで用意するために、時には高知の山まで行って、丸太を切り分けるなんてことも。こうした共同作業や共同生活を通じて、普段は見られない先輩や後輩、友人の新しい一面を知ることが出来ました。2年間で出会った地元の方やメンバーとの絆は、私たちにとってかけがえのない財産です。
ただし課題は残っています。自分たちが卒業してしまうと、今後、活動を継続していくメンバーが足りません。ハーブ園が完成した今は、ハーブステーションの2階を宿泊所に改築する計画が進行中です。学生の今だからこそ味わえる「地元の方たちとの関わり」は長く繋いでいきたい。今後は活動メンバーを研究室に限らず、低回生や他学部の人たちも交えてサークルのような形で活動を続けていきたいと思っています。興味のある方はぜひ参加してください。きっと「自分の世界が広がる」素晴らしい経験になりますよ。

■みなさんに伺いました!2年間を振り返っての感想
松宮さん…式典当日、これまで参加してくれたみんなの顔が浮かんできて、涙が出そうになりました。後輩をはじめ、大勢の人を巻き込んでいるというプレッシャーはありましたが、みんなには大学の枠から飛び出して、世界を広げるきっかけになればと思い、ここまで続けてきました。この2年間で小豆島は私のホームになりました。今後は“建物が愛されるために何が出来るか”を考えていきたいです。
木下さん…活動中は、製作期間の中で完成させることができるのか、小豆島の方々に私達が作ったものを受け入れてもらえるのか、という不安がありました。しかし、式典で島の方々の喜ぶ顔を見ることができ、一生懸命打ち込んで良かったなと満足しています。やれることはまだ残っているので、次の目標に進みたいと思います。
茨木さん…みんなで一生懸命作ったものが無事にオープンし、形に残っていくのが嬉しいです。それと同時に、これで終わりではなく、小豆島の方々や観光客の方々に愛されるハーブ園にしていきたいと思います。
守口さん…「カタチに残るものをつくりたい」と思っていましたが、1人で新しいことに挑戦するのは難しいですよね。このプロジェクトをきっかけに、納得いくモノを残せて良かったと思います。ハーブ園が出来上がったばかりですが、島の方からまたすぐに宿泊施設やカフェの計画についてお話があり、自分たちが期待されていると感じています。
小豆島の方々は、今後も私たち学生と、宿泊施設やカフェなどのプロジェクトを進めていきたいと思ってくれています。これは私たち学生が大学を飛び出して地域社会と関わり、自分たちのアイディアを実現するチャンスです。既にフィールドは整っているので、学年・専門を問わず、興味のある方はぜひ一度ご連絡ください。
<連絡先> 木下淳史:ru0002vi★ed.ritsumei.ac.jp
※ ★は@に変えてください。

「自分の世界を広げたい」との思いから始めたこのプロジェクト。あれから2年が経ちました。「しょうどしまーず」は、これまで延べ28人のメンバーで活動してきており、島民の方たちとの意見交換は10回以上にもなりました。それに加えて、毎週の学内ミーティングや製作のための小豆島訪問を繰り返し、ようやく完成にこぎつけました。
私たちが担当したのは、ハーブ園の企画・製作です。「ファームステーションの横にある小屋を何かに使えないか?」という会話から始まって、「小豆島の名産であるハーブを落ち着いて楽しめる空間」をコンセプトに製作を始めました。ハーブ園と言っても平面的にハーブを植えるのではなく、天井の高さまで重ねた花壇ユニットでテーブルと椅子を囲い、ハーブの壁に囲まれた部屋のようなイメージで製作しました。椅子に座ってゆっくりハーブを鑑賞したり、好きなハーブを摘んでフレッシュなハーブティーを飲んだり…と、いろいろな楽しみ方があると思います。
完成までには、模型や実物大サンプルを使って現地の方へプレゼンをしたり、意見を取り入れて改善したりと試行錯誤の連続でした。ただ、こうした苦労を通じて地元の方と深く交流できたことは大きな魅力だと思います。例えば、プレゼンの後には必ず懇親会を開いてくださり、地元のおいしいご飯とお酒をご馳走になったり、夜遅くまで楽しく語り合ったりしました。また、よく島を案内していただいたので、美しい海と山、農村歌舞伎や祭りなどの文化、醤油や素麺・石材といった産業など、ガイドブックには載っていない小豆島の魅力を味わうことが出来ました。何度訪れても新しい発見のある小豆島が、初めて訪問したときよりももっと好きになりました。
それにメンバーとの交流も深まりましたね。集会所の大広間を借りて寝泊りし、食事も自分たちでつくったので、製作中はまるで合宿のような気分でした。ハーブ園に使う木材を自分たちで用意するために、時には高知の山まで行って、丸太を切り分けるなんてことも。こうした共同作業や共同生活を通じて、普段は見られない先輩や後輩、友人の新しい一面を知ることが出来ました。2年間で出会った地元の方やメンバーとの絆は、私たちにとってかけがえのない財産です。
ただし課題は残っています。自分たちが卒業してしまうと、今後、活動を継続していくメンバーが足りません。ハーブ園が完成した今は、ハーブステーションの2階を宿泊所に改築する計画が進行中です。学生の今だからこそ味わえる「地元の方たちとの関わり」は長く繋いでいきたい。今後は活動メンバーを研究室に限らず、低回生や他学部の人たちも交えてサークルのような形で活動を続けていきたいと思っています。興味のある方はぜひ参加してください。きっと「自分の世界が広がる」素晴らしい経験になりますよ。
■みなさんに伺いました!2年間を振り返っての感想
松宮さん…式典当日、これまで参加してくれたみんなの顔が浮かんできて、涙が出そうになりました。後輩をはじめ、大勢の人を巻き込んでいるというプレッシャーはありましたが、みんなには大学の枠から飛び出して、世界を広げるきっかけになればと思い、ここまで続けてきました。この2年間で小豆島は私のホームになりました。今後は“建物が愛されるために何が出来るか”を考えていきたいです。
木下さん…活動中は、製作期間の中で完成させることができるのか、小豆島の方々に私達が作ったものを受け入れてもらえるのか、という不安がありました。しかし、式典で島の方々の喜ぶ顔を見ることができ、一生懸命打ち込んで良かったなと満足しています。やれることはまだ残っているので、次の目標に進みたいと思います。
茨木さん…みんなで一生懸命作ったものが無事にオープンし、形に残っていくのが嬉しいです。それと同時に、これで終わりではなく、小豆島の方々や観光客の方々に愛されるハーブ園にしていきたいと思います。
守口さん…「カタチに残るものをつくりたい」と思っていましたが、1人で新しいことに挑戦するのは難しいですよね。このプロジェクトをきっかけに、納得いくモノを残せて良かったと思います。ハーブ園が出来上がったばかりですが、島の方からまたすぐに宿泊施設やカフェの計画についてお話があり、自分たちが期待されていると感じています。
小豆島の方々は、今後も私たち学生と、宿泊施設やカフェなどのプロジェクトを進めていきたいと思ってくれています。これは私たち学生が大学を飛び出して地域社会と関わり、自分たちのアイディアを実現するチャンスです。既にフィールドは整っているので、学年・専門を問わず、興味のある方はぜひ一度ご連絡ください。
<連絡先> 木下淳史:ru0002vi★ed.ritsumei.ac.jp
※ ★は@に変えてください。
- 取材・文
- 山内 快(経営学部4回生)