「遺物に触れて過去を明らかにしていく」五塚原古墳の発掘調査に携わる
(写真左から)
三浦悠葵さん(文学部3回生)
吉村慎太郎さん(文学部2回生)
原田昌浩さん(文学研究科博士課程後期課程2回生)
この秋、京都府向日市寺戸にある前方後円墳・五塚原古墳(三世紀半ば)の前方部の構造が、邪馬台国卑弥呼の墓と説かれる箸墓古墳(奈良県桜井市)と同じ構造であると向日市埋蔵文化財センターと立命館大学文学部考古学・文化遺産専攻の発掘調査によって確認されました。これは、宮内庁の陵墓として立ち入りができない箸墓の構造を知る手がかりになると言われており、昨年夏に見つかった「葬列の道」とされる「隆起斜道」の確認に続き大きな発掘成果です。五塚原古墳の発掘調査は2000年・2001年に立命館大学によって行われ、数年の時を経て、昨年から発掘調査を再開 しています。発掘調査に参加するのは、文学部考古学・文化遺産専攻の考古学実習Ⅲを履修する2回生や、既に履修を終えた3、4回生、文学部研究科の院生です。今回、吉村慎太郎さん(文学部2回生)とES(エデュケーショナル・サポーター)として2回生の指導にあたった三浦悠葵さん(文学部3回生)、学生を統括する原田昌浩さん(文学研究科博士課程後期課程2回生)にお話を聞きました。

考古学に興味をもったきっかけは?
吉村さん-地元の山口県下関には、弥生時代の遺跡がたくさんあり、中学時代から古墳に興味がありました。立命館大学では実際に発掘にも携われることができるので、考古学実習の授業を受講しています。考古学実習Ⅲは現場での発掘調査を行う授業です。実際に現場の遺構(地面にのこされた人間活動の痕跡)に触れて学べることは、とても有意義な経験だと感じました。
古墳発掘調査とは?
原田さん-古墳は一見山になっているので、積もった落ち葉や土をどけ、出てきた石や土が当時のものなのかを議論しながら、古墳がつくられた当時の面を探していきます。当時のものかどうかという判断は、現地での詳細な観察と、これまでの調査成果、他の古墳の調査成果とを比べながら下していきます。 一つひとつの判断にとても注意が必要ですね。発掘したら、記録を残さなければなりません。石のサイズや積まれ方を、決められた尺どおりに残していきます。他の人に伝えるために、図面を書くことも大事な調査の一つです。
つくられた当時の面かどうかの判断は?
三浦さん-(一例ですが)五塚原古墳の墳丘斜面は、細長い石の長軸を斜面に突き刺していくような「小口(こぐち)積み」という方法で石が葺かれています。 層になった石がみえてきて、向きの異なる石があれば、それはつくられた当時の葺石はないと判断できるのです。区別をつけられるようになったときは感激しましたね。
発掘調査で大変だったことは?
吉村さん-小さい石でも迷いながら作業を進めていたのでとても時間がかかったことや、土がくずれないように慎重な作業が必要だったことが大変でした。
原田さん-約70人の学生の安全面・体調面のことを考えながら、遺構を検出していく作業に目配り気配りをすることがとても大変でした。ここでの記録は日本古代史解明重要な資料となっていきます。失敗してはいけない、という思いでみんなの作業に目を光らせました。
三浦さん-注目されている五塚原古墳の発掘調査記録を自分たちの手で残していくということが(責任重大で)怖かったですね。また、2回生への指導では、手を動かす作業を言葉で伝えることがとても難しかったです。

発掘調査以外で得た経験は?
吉村さん-発掘調査期間は現地の宿舎で生活します。宿舎にもどってから、先輩たちとその日の出来事を振り返えったり遺物について意見交換をしたりと、コミュニケーションの場を持てたことはとても貴重でした。
考古学の面白さは?
三浦さん-1000年以上前の人々が触ったものを自分の手で触れることができることが嬉しいですね。過去を明らかにしていくことが楽しいです。
吉村さん-過去の物が自分の目の前にあるということが面白いですね。とてもロマンを感じます。
成長したところは?
三浦さん-2回生だった昨年は、一週間の実習で、作業の経過や目的をぼんやりとでしか理解できていませんでした。しかし今年はESとして掘る穴の測量から携わるなど、どういった流れをつくって作業を進めいくのか、次は何をすべきかなど、考えながら取り組むことができるようになったと思います。

考古学の魅力
原田さん-「考古学」と聞くとハケなどでお宝を見つけていくというイメージがありますが、実際には遺構や遺物の諸関係をコツコツと研究をしています。一つひとつの取り組みは地味かもしれませんが、その積み重ねによって、過去のことを明らかにでき、さらには歴史像も見えてくるのです。そういったことが考古学の魅力ですね。個人で行う 作業ばかりではなく、チームプレーで先輩や後輩たちと議論しながら考えていくことができる楽しい分野であると思っています。
考古学に興味をもったきっかけは?
吉村さん-地元の山口県下関には、弥生時代の遺跡がたくさんあり、中学時代から古墳に興味がありました。立命館大学では実際に発掘にも携われることができるので、考古学実習の授業を受講しています。考古学実習Ⅲは現場での発掘調査を行う授業です。実際に現場の遺構(地面にのこされた人間活動の痕跡)に触れて学べることは、とても有意義な経験だと感じました。
古墳発掘調査とは?
原田さん-古墳は一見山になっているので、積もった落ち葉や土をどけ、出てきた石や土が当時のものなのかを議論しながら、古墳がつくられた当時の面を探していきます。当時のものかどうかという判断は、現地での詳細な観察と、これまでの調査成果、他の古墳の調査成果とを比べながら下していきます。 一つひとつの判断にとても注意が必要ですね。発掘したら、記録を残さなければなりません。石のサイズや積まれ方を、決められた尺どおりに残していきます。他の人に伝えるために、図面を書くことも大事な調査の一つです。
つくられた当時の面かどうかの判断は?
三浦さん-(一例ですが)五塚原古墳の墳丘斜面は、細長い石の長軸を斜面に突き刺していくような「小口(こぐち)積み」という方法で石が葺かれています。 層になった石がみえてきて、向きの異なる石があれば、それはつくられた当時の葺石はないと判断できるのです。区別をつけられるようになったときは感激しましたね。
発掘調査で大変だったことは?
吉村さん-小さい石でも迷いながら作業を進めていたのでとても時間がかかったことや、土がくずれないように慎重な作業が必要だったことが大変でした。
原田さん-約70人の学生の安全面・体調面のことを考えながら、遺構を検出していく作業に目配り気配りをすることがとても大変でした。ここでの記録は日本古代史解明重要な資料となっていきます。失敗してはいけない、という思いでみんなの作業に目を光らせました。
三浦さん-注目されている五塚原古墳の発掘調査記録を自分たちの手で残していくということが(責任重大で)怖かったですね。また、2回生への指導では、手を動かす作業を言葉で伝えることがとても難しかったです。
発掘調査以外で得た経験は?
吉村さん-発掘調査期間は現地の宿舎で生活します。宿舎にもどってから、先輩たちとその日の出来事を振り返えったり遺物について意見交換をしたりと、コミュニケーションの場を持てたことはとても貴重でした。
考古学の面白さは?
三浦さん-1000年以上前の人々が触ったものを自分の手で触れることができることが嬉しいですね。過去を明らかにしていくことが楽しいです。
吉村さん-過去の物が自分の目の前にあるということが面白いですね。とてもロマンを感じます。
成長したところは?
三浦さん-2回生だった昨年は、一週間の実習で、作業の経過や目的をぼんやりとでしか理解できていませんでした。しかし今年はESとして掘る穴の測量から携わるなど、どういった流れをつくって作業を進めいくのか、次は何をすべきかなど、考えながら取り組むことができるようになったと思います。
考古学の魅力
原田さん-「考古学」と聞くとハケなどでお宝を見つけていくというイメージがありますが、実際には遺構や遺物の諸関係をコツコツと研究をしています。一つひとつの取り組みは地味かもしれませんが、その積み重ねによって、過去のことを明らかにでき、さらには歴史像も見えてくるのです。そういったことが考古学の魅力ですね。個人で行う 作業ばかりではなく、チームプレーで先輩や後輩たちと議論しながら考えていくことができる楽しい分野であると思っています。