パワーリフティングで世界へ挑む
大島逸生さん(スポーツ健康科学研究科博士課程前期課程1回生)
パワーリフティングは、ウエイトリフティングのようにバーベルを頭上に挙げるのではなく、ウエイトトレーニング種目の中の3種目(スクワット、ベンチプレス、デッドリフト)の重量の総計を競うスポーツである。
この春スポーツ健康科学研究科に入学した大島さんは、デッドリフト種目の男子66kg級ジュニアの日本記録(250.0kg)保持者だ。3月に行われた第19回ジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会のジュニア男子74kg級で見事優勝し、今月フィンランドで行われる世界大会に挑む。

小学校から高校までは野球少年で、「スイングは誰にも負けない自信がありました。当たればホームランでした」。大学入学を機に、以前から興味を持っていたキックボクシングを始めた。補強のための筋力トレーニングとしてベンチプレスやスクワットを行っていたが、競技としての意識はなかった。やがて、通っていたジムで、パワーリフティングを競技として行っているチームに誘われ、大会に出始めた。3回生まではキックボクシングと併行して競技を行っていたが、迷った末、一瞬の勝負にかけるパワーリフティングを極めようと決心した。
現在はBKCでトレーニングをしている。パワーリフティングの練習方法は独特だ。例えば、一般的に筋力トレーニングとしてベンチプレスを行う場合、10回で限界になるような重さを3セット、週2回くらい行う。それをパワーリフティングのトレーニングでは、3回で限界になるような重さを5、6セット、週5~6回行う。「毎日練習できるように回数は少なく、その代わり限界まで重くします。練習でもかなり気持ちを高めないと上がらないくらいの重さです。失敗するとその1回分が無駄になるので集中力を高めなくてはいけません」。これ以上回数を増やすと極度のストレスがかかり、足腰を痛めるだけでなく睡眠障害なども出てくるのだそう。自分を興奮状態に持っていくため、大音量で音楽を聴いたり呼吸を速くして心拍数を上げたりする。

「パワーリフティングの練習法は、経験的には効果があると知られていても、科学的には解明されていません。」それを解明しようと、スポーツ健康科学研究科で研究に励む。トレーニング前後のホルモンの変化や筋量との関係を調べている。「面白いのは、見た目と力が必ずしも一致しないところですね。普通の人みたいに細い人や40代のおじさんが、ボディビルダーみたいな人より強いということもよくあります。若さより積み重ねや経験が勝つことも。僕も本格的に始めて2、3年なので、まだまだ伸びしろがあると思っています」
今は競技の指導者や一緒に練習する仲間がいないので、モチベーションの維持が難しいときもあるそう。「でもその分、自分で栄養について勉強したりトレーニングメニューを考え、実践しては修正したりしています。そうした努力が記録という数字にはっきり出てくるのはやりがいがありますね。」
「階級を上げたばかりで不安定な部分もありますが、日本記録を出したときのようなコンディションを発揮できたら世界大会の入賞争いにも絡んでいけると思います。」立命館に、世界で戦うアスリートがまた1人誕生する。

この春スポーツ健康科学研究科に入学した大島さんは、デッドリフト種目の男子66kg級ジュニアの日本記録(250.0kg)保持者だ。3月に行われた第19回ジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会のジュニア男子74kg級で見事優勝し、今月フィンランドで行われる世界大会に挑む。
小学校から高校までは野球少年で、「スイングは誰にも負けない自信がありました。当たればホームランでした」。大学入学を機に、以前から興味を持っていたキックボクシングを始めた。補強のための筋力トレーニングとしてベンチプレスやスクワットを行っていたが、競技としての意識はなかった。やがて、通っていたジムで、パワーリフティングを競技として行っているチームに誘われ、大会に出始めた。3回生まではキックボクシングと併行して競技を行っていたが、迷った末、一瞬の勝負にかけるパワーリフティングを極めようと決心した。
現在はBKCでトレーニングをしている。パワーリフティングの練習方法は独特だ。例えば、一般的に筋力トレーニングとしてベンチプレスを行う場合、10回で限界になるような重さを3セット、週2回くらい行う。それをパワーリフティングのトレーニングでは、3回で限界になるような重さを5、6セット、週5~6回行う。「毎日練習できるように回数は少なく、その代わり限界まで重くします。練習でもかなり気持ちを高めないと上がらないくらいの重さです。失敗するとその1回分が無駄になるので集中力を高めなくてはいけません」。これ以上回数を増やすと極度のストレスがかかり、足腰を痛めるだけでなく睡眠障害なども出てくるのだそう。自分を興奮状態に持っていくため、大音量で音楽を聴いたり呼吸を速くして心拍数を上げたりする。
「パワーリフティングの練習法は、経験的には効果があると知られていても、科学的には解明されていません。」それを解明しようと、スポーツ健康科学研究科で研究に励む。トレーニング前後のホルモンの変化や筋量との関係を調べている。「面白いのは、見た目と力が必ずしも一致しないところですね。普通の人みたいに細い人や40代のおじさんが、ボディビルダーみたいな人より強いということもよくあります。若さより積み重ねや経験が勝つことも。僕も本格的に始めて2、3年なので、まだまだ伸びしろがあると思っています」
今は競技の指導者や一緒に練習する仲間がいないので、モチベーションの維持が難しいときもあるそう。「でもその分、自分で栄養について勉強したりトレーニングメニューを考え、実践しては修正したりしています。そうした努力が記録という数字にはっきり出てくるのはやりがいがありますね。」
「階級を上げたばかりで不安定な部分もありますが、日本記録を出したときのようなコンディションを発揮できたら世界大会の入賞争いにも絡んでいけると思います。」立命館に、世界で戦うアスリートがまた1人誕生する。