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733 -  宇宙の彼方と地球内部を結び、地球の気候変動の謎に迫る。

宇宙の彼方と地球内部を結び、地球の気候変動の謎に迫る。

北場 育子 准教授

総合科学技術研究機構 古気候学研究センター

  • No.733
  • 2015年7月1日更新
 はるか遠い宇宙の彼方と地球内部、その関係に着目し、地球の気候変動の謎を解き明かす。立命館大学にそんな途方もないスケールで、地球の気候を研究している研究者がいる。2014年10月、古気候学研究センターの一員に加わった北場 育子准教授だ。

 宇宙から到来する高エネルギーの放射線、いわゆる宇宙線が地球の気候に影響を及ぼす可能性は、これまでも学術界で議論されてきた。「宇宙線が増えると大気中に雲が増え、寒冷化する」という仮説もその一つだ。そこに「地球が持つ磁気(地磁気)」という斬新な視点を持ち込んだのが、北場准教授だった。

      

 地球を取り巻く磁場は、宇宙線の影響から地球を守るシールドのような役割をしている。北場准教授は、花粉の化石の分析によって、数十万年に一度、地磁気のパワーが弱まる時期に地球が寒冷化することを突き止め、地磁気の強さが地球に届く宇宙線の量を変え、気候変動に影響を及ぼすことを世界で初めて実証した。この発表は、それまで宇宙線が地球の気候変動に影響を及ぼすという仮説を疑問視してきた学術界を驚愕させた。

 さらに北場准教授は、湖の奥底に堆積する年縞に含まれる花粉から、数千年というより短いスパンで地磁気の変調と寒冷化の関係を明らかにしようとしている。その新規性が評価され、2015年6月に資生堂が優れた女性研究者に贈る「第8回女性研究者サイエンスグラント」を受賞した。

         

 「遠い宇宙と地球の中心部がつながっている。それが証明できたら、さまざまな気候変動の謎も解明できるかもしれない。これほどおもしろいことは他にありません」と、北場准教授は目を輝かせる。しかもその手がかりは、湖の奥底に数万年にわたって堆積した年縞に隠されているというから、なおさら興味深い。「過去の地球を知る“ものさし”である年縞に、“宇宙”という壮大な視点を導入する。この研究が、その第一歩になればいい」と、語る。

 高校時代から気候や人類の歴史に関心があったという北場准教授。大学で古気候学に出合い、そのおもしろさにのめり込んでいった。「大学院時代、学会で世界的な研究成果を発表する若い女性研究者の先輩を見て、『かっこいいな』と思ったことも、研究者を志す一因になりました」。世界の古気候学を牽引する存在として、これからはきっと北場准教授が後に続く女性研究者の目標となるに違いない。


●今後挑戦してみたいことは?

宇宙の現象と地球との関係を実証し、新しい「気候システム観」を確立したい。



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