東北や震災について考える「きっかけ」をつくりたい ~毎月11日に「きっかけ食堂」を営業中~
原田奈実さん(産業社会学部3回生):写真左
橋本 崚さん (産業社会学部3回生):写真中央
右近華子さん(産業社会学部3回生):写真右
京都市上京区にある日替わり店長の店「魔法にかかったロバ」。産業社会学部の3人を中心に、ここで毎月11日に「きっかけ食堂」が開かれている。
そもそもの始まりは、公益社団法人「助け合いジャパン」の事業である「きっかけバス」だった。47都道府県から40人ずつの学生たちが岩手・宮城・福島の3県を訪れた。2014年2月に派遣された京都便は原田さんが代表を務め、右近さん、橋本さんも乗っていた。ボランティアと学びの旅で、仮設住宅の人々と交流したり、小さい瓦礫を手作業で撤去したりした。夜にはダイアログという会話の時間があり、一人ひとりが思いを発信し意見をぶつけ合った。初めて東北に行った人たちの「東北のご飯がこんなにおいしいと思わなかった」という声も印象的だった。

京都に帰ってから、ダイアログの時間のように東北のことをみんなで考えられる場を作りたい、毎日は難しくても震災の月命日である11日には考えたいと思うようになった。原田さんがメンバーを誘い、2014年5月に東北の食材とお酒を楽しみながら東北の話題で盛り上がり、東北や震災に思いを馳せるきっかけ作りの場として「きっかけ食堂」をスタートさせた。
「きっかけ食堂」では、毎月テーマになる地域を決め、そこから魚介類や野菜を取り寄せる。食材のほとんどをこれまで出会った人やその知り合いなど、人のつながりを通じて仕入れることをこだわりにしている。そうすることで、東北の生産者には京都で東北を思い続けていることが伝わり、お客さんには「あのとき食べた気仙沼の漁師さんのところに行こう!」と東北に足を運ぶきっかけとなり、両者を繋ぐことができるのではないかと思うからだ。

また、開店中は毎時11分から11分間のフリートークの時間「きっかけタイム」を設けている。カードに3つのトークテーマを書いてもらい、1つは東北関連のテーマにしてもらう。カードがあることで初めて会う人でも話しやすく、いいコミュニケーションが生まれていると感じる。フリートーク以外にも、その日の食材の生産者と電話を繋いでお客さんに感想を伝えてもらったり、語り部さんに震災のことを話してもらったりするときもある。最初は友人など学生のお客さんが多かったが、最近は社会人の方が増え、世代間交流も生まれている。
東北といえば「ボランティアで行く場所、被災地」というイメージを最初は持っていた。それが東北を訪れてからは「美味しいものがある観光地」になり、今では「○○さんがいるところ、□□があるところ」と変化している。きっかけ食堂を通して、そういう変化がお客さんにもあればと思う。また継続することの重要性にも気づいた。「毎月11日は必ずいるので来てください」と言える。東北の人にも「私たちは忘れていない」というのを行動で示せていると思う。3人の大学卒業までは絶対に続けていくつもりだ。
復興支援とは「忘れない」こと。忘れないための「きっかけ」をたくさん作っていきたいと思っている。

そもそもの始まりは、公益社団法人「助け合いジャパン」の事業である「きっかけバス」だった。47都道府県から40人ずつの学生たちが岩手・宮城・福島の3県を訪れた。2014年2月に派遣された京都便は原田さんが代表を務め、右近さん、橋本さんも乗っていた。ボランティアと学びの旅で、仮設住宅の人々と交流したり、小さい瓦礫を手作業で撤去したりした。夜にはダイアログという会話の時間があり、一人ひとりが思いを発信し意見をぶつけ合った。初めて東北に行った人たちの「東北のご飯がこんなにおいしいと思わなかった」という声も印象的だった。
京都に帰ってから、ダイアログの時間のように東北のことをみんなで考えられる場を作りたい、毎日は難しくても震災の月命日である11日には考えたいと思うようになった。原田さんがメンバーを誘い、2014年5月に東北の食材とお酒を楽しみながら東北の話題で盛り上がり、東北や震災に思いを馳せるきっかけ作りの場として「きっかけ食堂」をスタートさせた。
「きっかけ食堂」では、毎月テーマになる地域を決め、そこから魚介類や野菜を取り寄せる。食材のほとんどをこれまで出会った人やその知り合いなど、人のつながりを通じて仕入れることをこだわりにしている。そうすることで、東北の生産者には京都で東北を思い続けていることが伝わり、お客さんには「あのとき食べた気仙沼の漁師さんのところに行こう!」と東北に足を運ぶきっかけとなり、両者を繋ぐことができるのではないかと思うからだ。
また、開店中は毎時11分から11分間のフリートークの時間「きっかけタイム」を設けている。カードに3つのトークテーマを書いてもらい、1つは東北関連のテーマにしてもらう。カードがあることで初めて会う人でも話しやすく、いいコミュニケーションが生まれていると感じる。フリートーク以外にも、その日の食材の生産者と電話を繋いでお客さんに感想を伝えてもらったり、語り部さんに震災のことを話してもらったりするときもある。最初は友人など学生のお客さんが多かったが、最近は社会人の方が増え、世代間交流も生まれている。
東北といえば「ボランティアで行く場所、被災地」というイメージを最初は持っていた。それが東北を訪れてからは「美味しいものがある観光地」になり、今では「○○さんがいるところ、□□があるところ」と変化している。きっかけ食堂を通して、そういう変化がお客さんにもあればと思う。また継続することの重要性にも気づいた。「毎月11日は必ずいるので来てください」と言える。東北の人にも「私たちは忘れていない」というのを行動で示せていると思う。3人の大学卒業までは絶対に続けていくつもりだ。
復興支援とは「忘れない」こと。忘れないための「きっかけ」をたくさん作っていきたいと思っている。