スカッシュを始めて半年、初出場の全国大会で準優勝
加藤翔貴さん(産業社会学部1回生)
大学入学を機にスカッシュサークルに足を踏み入れた加藤さん。硬式テニス部に所属していた高校時代から、オリンピックの候補種目としてテレビで話題になっていたスカッシュが気になっていた。スカッシュは幅6.4m、奥行き縦9.8m、高さ約5.6m以上の四面を壁に囲まれたコート内で、正面の壁(フロントウォール)や横の壁、後ろの壁を使って小さなゴムボールを正面の壁に向かって交互に打ち合うスポーツだ。フロントウォールに当てるまでにツーバウンドさせたり、決められた枠の外にボールを当てたりするとアウトととなり相手に点が入る。ラケットの構え方や振り方がテニスとは大きく異なり、体に対してのほぼ垂直の位置でボールを打たなければならないのが特徴だ。また同レベルの対戦になるとラリーが5分も続くこともあり、スカッシュの魅力であるその運動量の多さにはまった、と加藤さんはいう。
左京区一乗寺のスカッシュスクールに通い、2時間の部活を終えた後、さらに4時間の自主練習を行う。授業があるときは週に6日、休日は12時間練習することもあるそうだ。自主練習は先輩と対戦したり、フットワークを鍛えるトレーニングを行ったりしている。「コーチはプロの選手です。強い選手を身近に感じられ、『自分も強くなってコーチを超えたい』と闘争心が沸いてきます」
一方で決まった技や動きが少ないスカッシュでは自分の成長が見えにくく、そのなかでの練習は大変だという。加藤さんは上手い人の動画をみて、自分と何が違うのか、自分のどこが駄目なのかを研究して、スマートフォンにメモで残していくそうだ。そして自主練習のときに、メモを振り返って動きを実践していく。さらに自分の練習を撮影した動画でフォームを念入りに確認するそうだ。加藤さんはこうして地道な練習で力をつけ、初めて出場した全国大会「第43回全日本学生スカッシュ選手権(インカレ)」で準優勝を飾ったのである。
「自分がこうしてスカッシュを真面目に打ち込めるようになったのは、自分勝手な行動ばかりしていい加減だった自分を叱ってくれた先輩の存在があったからです。先輩は『必ず強くなるから、きちんと挨拶をしたり、もっと周りに気を遣ったりして礼儀正しくしなさい』と大切なことを教えてくれました」
先輩の言葉をきっかけに変われた加藤さん。試合を重ねるごとに、自分を支えてくれる人を意識するようになり、周囲の応援があるからこそスカッシュを頑張れていることにも気づいたという。特に、十分に部活に打ち込めるようにと経済的な面も含めてサポートしてくれる家族への感謝の思いは強まるばかりだ。
「スカッシュを始めたことにより、学生生活で明確な目標ができました」加藤さんの目標は、4回生までに全日本選手権と全日本学生選手権で1位を獲ること。そして後輩の指導にも力をいれて団体でも優勝を狙う。来年度も積極的に強い選手と対戦を重ね、さらなる高みを目指していきたい、と語ってくれた。