2025年「ヤマキ株式会社」
【調理科学×システムデザイン】
~かつお節・だしの価値・魅力を未来へ伝えるアイデア~
開催報告
今年度もヤマキ株式会社様のご協力を賜り、かつお節の日(11月24日”いい(11)ふ(2)し(4)=いい節”)にちなみ、11月16日(日)にワークショップを開催しました。参加者は学内外から募集し、異なる背景を持つメンバーがチームを組み、1つの課題に取り組みました。テーマは、【調理科学×システムデザイン】~かつお節・だしの価値・魅力を未来へ伝えるアイデア~とし、プログラムでは「かつお節・だしの基礎知識」はヤマキ社員様にご登壇いただき、「だしとかつお節を科学する」に本田智巳講師(武庫川女子大学)、「システムデザインの基礎講義」に野中朋美教授(立命館大学 客員教授)と、3つのインプットセッションを実施。講義後は、学んだ内容を踏まえ、かつお節・だしを活用した商品やサービスについてディスカッションを行い、最後にスキット形式で発表を行いました。
【協賛企業 ヤマキ株式会社 様】
ヤマキは創業100年を超える「鰹節屋・だし屋」です。
私たちは、お客様の「おいしい」のひと言を目指して鰹節・だしの価値を深め・広げることに取り組み、 花かつお、かつおパック、だしの素、めんつゆ、割烹白だし、鍋つゆなどを生み出してまいりました。
これからも鰹節とだしを通じて、「おいしさ」と「健康」、そして「食文化の継承・食資源の持続性確保」に貢献してまいります。
公式サイト:https://www.yamaki.co.jp/
開催について:
2025年11月16日(日)10:00~18:00
@立命館大学 大阪いばらきキャンパス
講 師:野中 朋美氏(立命館大学 客員教授)
本田 智巳氏(武庫川女子大学 講師)
参 加 者:38名(内訳:立命館大学/19名、大阪公立大学/12名、早稲田大学/3名、武庫川女子大学/2名、近畿大学/1名、京都芸術大学1名)
内容について:
■タイトル■
【調理科学×システムデザイン】
~かつお節・だしの価値・魅力を未来へ伝えるアイデア~
10:00- 開会あいさつ
10:10- 本日の流れについて・ワークショップのゴール・目標
10:25- インプット講義1
・かつお節・だしの基礎知識
・かつお節・だしの価値・魅力を広い視点から捉える(SDGsなど)
・かつお節削り体験
11:10- インプット講義2
・だしとかつお節を科学する~料理の中での役割と可能性~
11:55- インプット講義3
・システムデザインの基礎
システムデザイングループワーク①
12:40- <お弁当を食べながら食べ比べ体験>
<結果のシェア・ディスカッション>
13:40- システムデザイングループワーク②
15:00- 休憩
15:10- システムデザイングループワーク③
16:40- 休憩+発表準備
17:10- アイデア発表
17:50- 講評・コメント
17:55- ラップアップ・まとめ
⇩当日の様子
⇩アイデア出しの様子
今回も早期に募集を締め切るほど大変好評だった本ワークショップ。かつお節削り体験など、充実したプログラムを実施し、アンケート結果では昨年を上回る高い満足度が得られました。参加者からは「実際にさまざまな製品に触れ、自分でかつお節を削るといった体験を通して、アクティブに学ぶことができたこと。また、アイデア創出に関しても丁寧な方法論の説明があり、しっかりと学ぶことができた。」「グループワークを通して、自分とは異なる観点からの考え方を知るだけではなく、他大学の人と接する機会ができ、良い刺激になった。」「健康によくて、日本の誇るべき文化でもあるかつお節を、未来に伝えていきたいと思った。」といった声が聞かれました。
<講師講評>
立命館大学 客員教授 野中朋美教授
かつお節・だしという伝統的な食材を「未来の価値」として再設計するためには、多様な視点から価値を形づくる構造を分析・可視化するプロセスが欠かせません。今回のワークショップでは、学生のみなさんが調理科学・五感での体験・生活者視点を組み合わせながら、価値創造のストーリーをグループで試行錯誤し、組み立てていく姿が印象的でした。システムデザインとは、問いを立て、大規模・複雑なシステムを構造化・可視化し、多様な視点から価値を捉え直して、未来をデザインしていくアプローチです。また、多様なメンバーが協業し、それぞれの専門性や体験を持ち寄りながら価値を磨いていくことも重要です。今回の経験が、食の領域に限らず、これからの社会課題に向き合ううえで生かしてもらえることを期待しています。
武庫川女子大学 食物栄養科学部 本田智巳講師
今回のワークショップでは、かつお節という素材を通して、その機能や魅力を科学的に見つめ直し、食文化として受け継がれてきた価値を再発見することを大切にしました。調理科学のパートでは、だしやかつお節が料理の中でどのように働き、味覚や体験にどのような影響をもたらすのかを科学的に整理し、学生のみなさんがアイデアを構築するうえでの基盤となる知見を提供しました。発表では、おいしさだけにとどまらず、多様な視点からかつお節の価値を捉え直した提案が生まれ、素材への理解を深めたプロセスがうかがえました。今回の学びが、日常的な食の営みを再解釈する視座の形成につながれば幸いです。
WSの様子は、こちらでもご覧いただけます⇩
ヤマキ株式会社 プレスリリース(2025.12.1)
以上
2025.12.11