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【開催報告】2022年度EDGE+R レギュラーコース前期

活動報告

2022年5月~8月(前期)

【2022年度EDGE+R レギュラーコース前期】

開催報告

2022年度のレギュラーコースは、多くの応募者から選ばれた33名の受講生でスタートしました。前期は、5月のオリエンテーション&デザイン思考WSに始まり6月にデザイン・ドリブン・イノベーションWS7月にはシステムデザインWSと体系化した3 種類のデザインを学び、前期さいごの8月はアウトプットの場として「デザイン思考フィールドワーク」を実施しました。今回は、そのFWの様子をご報告いたします。

2022年度 飛騨高山デザイン思考フィールドワーク】

デザイン思考の講義同様、セブン&アイ・ホールディングス山田氏を講師に迎え、岐阜県高山市に於いてデザイン思考フィールドワークを開催しました。

飛騨高山地域はトランジション活動(持続可能な社会に移行する活動)発祥の地であるイギリス・トットネスのようにコミュニティ経済の循環モデルが官民連携で実現できている地域として国内外から注目されています。2種類の地域通貨(間伐材を再利用した木製通貨・Enepoと地域金融機関が発行するデジタルマネー・さるぼぼコイン)が共存して流通しており、それぞれの通貨の役割がしっかり機能しています。現地ではEnepoとさるぼぼコインの発祥、導入に至るプロセスなどを発行元(活エネルギーアカデミー、飛騨信用組合)の責任者からお話を聴くと共に、実際に間伐作業を体験することで森林資源保存の実態を学びました。さらに、デザイン思考の講義で学んだ洞察スキルの実践として、この通貨が市中でどう流通し機能しているのかを各々がフィールドワークを通じて体得し、最終日には、FW・間伐体験を通しての高山の人々のbeing(ありたい姿)と、それを実現するためのソリューションについてチームでまとめ発表しました。

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開催日時:事前講義/7月22日(金)

      現地FW82日(火)~4日(木)

場   所:岐阜県高山市

参  加  者:レギュラーコース受講生/26名

テ  ー  マ:金融・お金とは何か(本質的な金融を学ぶ)

講  師:セブン&アイ・ホールディングス/客員教授 山田智樹氏

 飛騨信用組合 専務理事 山腰和重氏・古里圭史氏

      NPO法人 活エネルギーアカデミー 澤秀俊 氏

内  容:

【事前講義】722日(金)@オンライン

        事前講義1(飛騨信用組合 山腰氏・古里氏)
         ~地域通貨「さるぼぼコイン」の地域における役割や機能について~

            事前講義2(NPO法人 活エネルギーアカデミー 澤氏)
         ~地域通貨「Enepo」を中心とした環境循環型地域デザインについて~

2022飛騨高山事前講義プロフィール


Day1】  82日(火) @高山市

                         午後/高山市内事前リサーチ

Day2】 83日(水)
                        7:30  漆軽作業~間伐作業
                      13:00 高山市内フィールドワーク
                      20:00 現地リサーチ・まとめ作業(個人)

Day3】 84日(木)

       8:30 間伐作業
        12:30   まとめ作業(チーム)
        14:45   成果発表・フィードバック
                       17:00 解散

風土記の丘学習センターで縄文時代から弥生時代の土器や住居を見学し、高山の地理的優位性などを学ぶ様子2022高山FW1

⇩地域通貨Enepoの流通の仕組みと活エネルギーアカデミーの活動現場を見学2022高山FW2

⇩グループに分かれ、薪割り、木材の運び出し、加工業者への運搬作業を行う様子2022高山FW32022高山FW4


間伐作業を通して高山の人たちの価値観に触れることができました。発表の際も間伐体験でのEnepoの方々との触れ合いを通して感じた内容についての言及も多く、学生の印象に強く残るものとなりました。 

高山市内フィールドワークでは、各チーム1か所アポイント先を指定し、高山市役所・飛騨高山観光コンベンション協会・駿河屋エブリ東山店にインタビューを実施した後、リストアップされた候補先をチームごとに自由にリサーチしました。各チーム、行政・観光・店舗・商店街など様々な分野から、さるぼぼコインの流通の仕組みや課題、各方面からの流通促進策、地域浸透の背景などの現場目線の貴重な情報を収集することができました。
2022高山発表1


最終日は、FW・間伐体験を通しての高山の人々のbeing(ありたい姿)と、それを実現するためのソリューションについて各チーム発表を行いました。高山市の人々・行政・観光・金融機関・店舗など様々な角度からチームで議論した高山市のbeing(ありたい姿)とソリューションについての発表があり、各チーム個性の豊かな内容でした。また、ゲストに一般財団法人飛騨高山大学連携センター様を迎え、高山の目線からの質疑・解説も頂きより深い議論となった様に思います。全チームまるで高山市民のように発表しており、デザイン思考をしっかりと実践できていました。
⇩発表の様子
2022高山発表22022高山発表3


受講生のレポートからは、「今回のフィールドワークで、これまで学んだ3つのデザインが繋がって線になるような感覚を感じることができた」「今回のフィールドワークはこれまでの学びを体感する場面が多く、知識が経験となって自分の中に定着する感覚を覚えた」といった声があり、後期に行うチーム活動に対する前向きな意気込みを感じました。また、このフィールドワークから、「コミュニティに入り、そのコミュニティのロジックを理解する」ことの重要性を学んだ受講生が多く、今後のEDGEの活動やそれぞれのフィールドで活かしていきたいとの感想が多くみられました。

以上


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