2023年度EDGE+R 企業協賛ワークショップ

「西尾レントオール株式会社」

〜2050 年のカーボンニュートラル実現に向け、日本の林業をデザインする〜

開催報告

EDGE+Rプログラムでは、イノベーションを積極的に推進する企業と連携して企業協賛ワークショップ（以下、WS）を開催しています。今年度もレンタル業界大手・西尾レントオール株式会社と連携し、3か月間の中期プログラムを実施しました。
　テーマは「日本の林業の未来を考える」。オリエンテーションでは、林業やフィールドワーク（以下、FW）先のインプット、アイデア創出のために“デザイン・ドリブン・イノベーション”の手法※を学びました。その後日本の林産業・森林の現状を把握するため、同社が「協働の森づくり事業のパートナーズ協定」を締結している高知県仁淀川町への FW を実施。そこで得た森林の現状や課題を抽出しチームで新しいアイデアを創出、その成果を発表しました。発表の会場は、同社が咲洲コスモスクエア地区に建設した「転用が可能な木造仮設構造物『木造モジュール』咲洲モリーナ」。咲洲モリーナは、生きた建築ミュージアムフェスティバルに出展されており、その期間にモリーナのメインコンテンツとして成果発表会を行いました。

※デザイン・ドリブン・イノベーションの手法とは・・・近年ヨーロッパを中心としたデザインマネジメント手法として注目されており、自己の（「内」にある）ビジョン駆動型の「Inside Out」のアプローチ手法です。EDGE＋R レギュラーコースの 3 つのデザインの 1 つでもあります

【講師】

後藤 智先生/立命館大学経営学部 准教授・EDGE+Rプログラム副総括責任者

【実施スケジュール】

➀オリエンテーション  　　　7/31(月) 13:00～17:00 　  ＠西尾レントオール咲洲R&D国際交流センター

➁仁淀川町フィールドワーク   8/31（木）～9/1（金）    ＠高知県吾川郡仁淀川町

➂ワークショップ    　　　 　 9/25（月）10:00～17:00   ＠立命館大学 大阪いばらきキャンパス

④中間発表会    　　　　　　 10/13（金）16:30～18:00　＠オンライン

⑤成果報告会    　　　　　　 10/29（日）13:00～15:30   ＠咲洲モリーナ（イケフェス会場）

⑥フィードバック会　　　 　11/28（火）16:30～18:00　＠オンライン

【発表内容】

◇Team１　テーマ：逃げて、学んで、再出発する そんな居場所

◇Team２　テーマ：林業に革命を起こします。　～俺らの未来を担う「木」～

◇Team３　テーマ：山と生きる ～仁淀川の大自然を生かしたサバイバル大会～

◇Team４　テーマ：「呼吸」

【参加者の声】

・様々な学部の方とチームを組んで企画を練り発表する事がとても新鮮で、自分自身の視野を広げることができました！今後の学校生活で活かせる事が多く、実りある三ヶ月だったと感じています。

・自分の見てこなかった景色を見ることができたし、他の人のプレゼンを見ることで思考な方法などもとても参考になりました。価値観が広がったし、胸を張って頑張ったと言えるプログラムになりました。

・最終的には、林業の固定観念に囚われずに柔軟に考えることができました。この感覚を今後も持ち続けたいです。

 

【担当教員/後藤准教授からのコメント】

今回の一連の活動は、事前の学びから仁淀川町でのFW、最終発表まで非常にインテンシブの高い活動であり、学生にとってはリアリティを持って地方の林業の現状を知れる非常に価値のある機会でした。林業の課題は明確で、日本中の行政や林業従事者、社会起業家がその課題を解決しようと試みている産業ですが、このような産業は、内部の事情を深く知らないと課題解決は難しいのが現状です。学生には林業に関わる人が決して持ち得ない視点を持ち込むように意識してもらいました。その手段は、林業と全く関係のない内発的な価値観からアブダクションを使って、アイデア創出を行うデザイン手法を用いて、“林業と関係ないことを林業に結びつける”という点で抽象性が高く、難易度の高い手法ですが、それにもかかわらず、学生はその手法を実践し新規性の高いアイデア創出を実現することができました。

【オリエンテーション・インプット講義の様子】

【仁淀川町フィールドワークの様子】

【最終発表会での集合写真】

今年度も多大なるご協力を賜りました西尾レントオール社員の皆様に感謝申し上げます。
受講生の皆様、お疲れ様でした。

以上

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