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2014/11/12 兵庫教育大学学校教育研究科・准教授の小田俊明先生によるセミナー「筋腱相互作用と身体運動」の講演がありました。


20141112日(水)「運動生理学」(講義担当者:橋本健志准教授)のゲストスピーカーとして、兵庫教育大学准教授の小田俊明氏をお招きし、「筋腱相互作用と身体運動」と題した講演を行って頂きました。

 

身体運動は、生体組織における唯一の力発生源である筋肉によって引き起こされますので、スポーツ健康科学分野では、これまで筋を対象とした多くの研究がなされてきました。しかし、小田先生は、「身体運動における研究対象は筋だけでいいのか?」と疑問を投げかけ、巨大なアキレス腱をもつカンガルーが、速く走るほどエネルギー変換効率がよいことを事例に挙げ、身体運動における筋腱相互作用の重要性についてわかりやすく解説して頂きました。

また、本講義が学部3回生を対象とした授業である為、筋・腱の解剖学と生理学の基礎知識の復習・確認を交え、ヒト運動時の筋・腱の振る舞いを説明して頂きました。更に、小田先生は講義内に、ゴムひもやスーパーボールを持参され、腱の特徴を実演するなど、非常に工夫されたわかりやすい解説でした。

 

また、講義の後半では、ご自身が研究で携わっておられる、ケニア中長距離選手の着地動作と筋腱の特徴についてお話頂きました。

近年、マラソンなどの長距離種目において、ケニアなどのアフリカ勢は目を見張る活躍ぶりを示しています。そうした競技力に、着地動作と筋腱の相互作用が関与しているのではないかとの作業仮説に基づいて、実際にケニアに赴き、生理的・機能解剖的解析をしておられ、その様子や、実際のデータを示しながら解説して頂きました。

運動時の筋腱動態を詳細に解析していくことは、今後のスポーツ科学の発展に大きく繋がると感じました。