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2023年11月9日のスポーツマネジメント概論の授業にて、株式会社イワサキ観光経営代表取締役の岩崎弘之氏に「ツーリズムビジネスとは?」というタイトルで特別講演をしていただきました。

 2023年11月9日のスポーツマネジメント概論の授業にて、株式会社イワサキ観光経営代表取締役の岩崎弘之氏に「ツーリズムビジネスとは?」というタイトルで特別講演をしていただいた。
 岩崎氏はまず、レジャー産業において、約28兆円の市場規模を有する旅行業界の構造やその実態について、データや経験に基づきながら、学生にわかりやすく説明された。岩崎氏は、大手旅行会社の営業マンとして30年以上、勤められた経験を踏まえながら、企画・営業・集客・添乗・精算に至るまでの一連のプロセスをたどり、旅行業界が何を売るビジネスであるのかについて解説され、とりわけ、旅行業における「営業」という仕事が「カタチがない」サービス財を商材としていることから、「商品を買ってもらう…というよりは、『自分を買ってもらう』というのがツーリズムビジネスの根幹である」と述べられた。
 次に、旅行業には、「好奇心・企画力・提案力・交渉力・判断力」を備えた人材が求められることを説明し、特に「ホスピタリティ・マインド」が重要であると述べられた。つまり、「サービス」は、売り手と買い手には主従関係が存在し、約束したことを的確に熟すことが求められるのに対して、「おもてなし」は、約束したことを的確に熟すという発想ではなく、相手を慮り、その上で、何をすれば、顧客が喜び、満足するのかを考えて行動することが求められると述べられ、エクセレントな場や機会を提供するためには、期待を上回る、期待すらしていなかったことを叶える、といったことが結果的に「満足」を超えた「感動」を導くのだと述べられた。
 最後に、旅行業界がインバウンドの隆盛、コロナという危機を迎えて、変貌を遂げている様子について話をされた。「団体旅行」から「個人旅行」、「モノ消費」から「コト消費」、またエコツーリズムやグリーンツーリズム、ウェルネスツーリズムといったニューツーリズムの潮流、さらには、社会経済的インパクトにビジネスが影響を受けやすい旅行業界が「脱観光業」に対する取り組みを行っていることなどについて、説明された。同時に、現在、大手旅行会社を退職し、起業された会社での「ワーケキャンプ(ワーケーションとキャンプの造語)」といった事業について紹介され、非日常空間での企業研修を提案し、会社組織の活性化や組織開発にも手掛けられている様子について説明された。
 講義後、学生から多くの質問が寄せられ、充実した特別講義の時間を得ることができた。
1110スポーツマネジメント概論①

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