健康運動科学特殊講義に法政大学スポーツ研究センター講師の街勝憲先生に講義を行っていただきました。
健康運動科学特殊講義のゲストスピーカーとして法政大学スポーツ研究センター講師の街勝憲先生に“乳がんサバイバーのための自宅で実施可能なHIIT研究の紹介ーがんサバイバーシップにおける運動・身体活動の重要性ー”というタイトルで講義を行っていただきました。
街先生は、立命館大学大学院スポーツ健康科学研究科博士前期課程の1期生で、同大学院で博士(スポーツ健康科学)を取得後、国立がん研究センターでがん、特に我が国の女性で罹患率の高い乳がんのサバイバーの運動・身体活動について研究で我が国の研究・行政対応の最前線で活躍されています。
講義では、街先生が代表としてまとめられ本年度公開予定のがんサバイバーシップ-運動・身体活動編-で、システマティックレビューの結果から、医師は“18歳以上のがんサバイバーに対して運動を進めることを提案する”ことを決定したこと、がんサバイバーの運動への阻害要因として、①運動を行う時間がない、②場所がない、③運動方法がわからないということが報告されているので、それに対応して①短時間で完了する運動、②自宅で実施可能、③運動プログラムを提供することができる、“自体重を用いたHIIT(高強度・短時間・間欠的運動トレーニング:タバタスタイルトレーニング)をスマホで見て実施するHabitBというITプログラムを開発し、それを乳がん治療後の女性50名を対象に実施したところ、最大酸素摂取量が有意に増加したという介入研究の結果を紹介された。
Tsuji Ket al. Effect of home-based high-intensity interval training and behavioural modification using information and communication technology on cardiorespiratory fitness and exercise habits among sedentary breast cancer survivors: habit-B study protocol for a randomised controlled trial. BMJ Open. 2019 Aug 22;9(8):e030911. doi: 10.1136/bmjopen-2019-030911. PMID: 31444192; PMCID: PMC6707761.
最後に、がんサバイバーの身体活動・運動の恩恵について我が国における研究成果が少ないことより、運動指導という面及び研究という面からスポーツ健康科学部を出た人材が、がんサバイバーの身体活動・運動の研究・実践に貢献できる可能性が高いので、聴講生に対して“是非、一緒に協力しましょう”という言葉で講義を終えられた。