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スポーツ生理学の授業に、東京有明医療大学大学院 保健医療学研究科 准教授:髙橋 康輝先生をお招きしました。


 617日スポーツ生理学の授業で、東京有明医療大学大学院 保健医療学研究科 准教授:髙橋 康輝先生に、「運動と呼吸」をテーマに授業をして頂きました。


 運動による呼吸数の増加には、酸素を体内に取り込むだけでなく、運動時に体内が酸性に傾く(アシドーシス)のを解消させるために二酸化炭素の排出する必要があります。深さと回数は異なりますが、122千回行われています。呼吸は肺が自発的に拡張・収縮はできず、呼吸筋の動きによって行われているため、呼吸に関わる筋の動きが重要です。呼吸には吸息・呼息によって使われる筋が異なり、呼吸筋や横隔膜をどのように使うかがポイントとなります。


 ヒトによって呼吸は、無意識下あるいは意識下の調節の場合があり、刺激に対して素早く呼吸数が増加します。その調節には、大脳皮質、延髄が関与しています。それだけでなく、情動や嗅覚等の情報によっても呼吸は影響を受け、その調整には、大脳辺縁系の偏桃体が関与しています。不安が高い人は呼吸数が多く、情動が呼吸数の調節を行われていることが明らかとなっています。例えば、陸上競技のレース中に、筋の違和感から不安が生じ、その結果、呼吸数が増えてしまい、浅くてはやい呼吸は換気効率が少なくなるため、結果的に、パフォーマンスが低下する、という現象が認められています。そのため、呼吸を自発的にゆっくりさせることで、情動(気分や気持ち)を落ち着かせて、結果的に、呼吸をしやすくすることで呼吸数を整えておくことが重要です。また、呼吸のしやすい姿勢(背筋を伸ばし、胸を張るなど)も重要であり、左右の肩甲骨を引き寄せ、肩を下げるなどの姿勢や、呼吸筋ストレッチを行うことは効果的であることも説明して頂きました。

高橋先生から、呼吸は身体的・心理的な健康には重要だけでなく、スポーツパフォーマンスにも影響することについて分かりやすく説明して頂きました。

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