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元PwCコンサルティング合同会社マネジャーの宇野カルロス冠章氏をお招きし、特別講演をしていただきました。


スポーツマネジメント特論:特別講演:「ビジネスを取り巻く技術革新」

PwCコンサルティング合同会社 マネジャー 宇野カルロス冠章 氏

 

 去る202471日に、元PwCコンサルティング合同会社マネジャーの宇野カルロス冠章氏をお招きし、「ビジネスを取り巻く技術革新」というテーマにて、特別講演をしていただきました。

 

 宇野氏は、主に経営企画、ビジネス開発、マーケティング、顧客サポートなど、ITを中心としたテクノロジーとかかわりが深い9社、複数の国々でビジネスを進めてこられました。その中でも最近勤められてきたラプソード社、メタ社、PwCコンサルティング合同会社での経験に基づき、いかにビジネスを進める上で、技術革新と向き合うことの重要性について述べられました。

 

 ラプソード社は、メジャースポーツと言われながら、サイエンスやテクノロジーがなかなか導入されなかった野球界に革新をもたらした企業の1つです。例えば、打者や投手のパフォーマンスを可視化し、打者で言えば、打球速度や打球角度だけでなく、打球の回転方向や回転量を指標化したり、投手で言えば、球種や投球速度、回転率だけでなく、回転方向や変化量、また投手のリリースポイントなどを可視化したりしています。またラプソード社が有するテクノロジーとこれまで蓄積してきたビッグデータを、プロ野球のようなハイパフォーマンスの世界だけでなく、アマチュア界への導入、さらには、ファンを楽しませるためにエンタテインメントの要素を組み入れながら、テクノロジーとデータと体験を組み合わせる機会をプロデュースされ、ビジネスの活路を切り拓いてこられました。

 

 IT産業は、4強時代と呼ばれており、アメリカのGAFAGoogleAppleFacebookAmazon)、中国のBATHBaiduAlibabaTencentHuawei)が世界を席巻しています。宇野氏は、ソーシャル・メディア・サイトであるfacebookの運営会社で働かれ、特にゲームアプリを中心に広告とテクノロジーを組み合わせ、離脱率の低下やアプリ内の課金の促進に関する仕事に従事されました。とりわけ、メタ社では、メタバースを用い、ヘッドマウントディスプレイを活用した没入体験を提供して、顧客のエンゲージメントを図るだけでなく、テクノロジーを有する多種多様な企業との連携を図り、システムの開発、運用、提供に携わってこられました。またホームページや電子メールの活用といった一方向型のWeb1.0時代からSNSEC(電子商取引)といった双方向型のWeb2.0時代を迎える現在、VR(仮想現実)・AR(拡張現実)・MR(複合現実)を生み出すディバイスを活用しながら、NFT(非代替性トークン)・DAO(分散型自立組織)・DeFi(分散型金融)といったブロックチェーンを活用した分散型ネットワーク社会を見越したビジネスに活路を見出す必要があると主張されました。

 

 そして、最後に、PwCコンサルティング合同会社では、これまで培われたビジネスとテクノロジーの関係性を、企業に対するビジネス上のソリューションを提示する総合コンサルティングに従事されました。特にPwCコンサルティング合同会社がアシュアランス、コンサルティング、ディールアドバイザリー、税務、法務、シンクタンクといった分野における強みを活かしながら、様々な業界での事例を取り上げ、ブロックチェーンの技術に基づく、戦略の策定、テクノロジーの導入、顧客体験の管理、リスクマネジメントといった機能を統合し、企業が技術革新の変化に立ち後れず、ビジネスチャンスを活かせるようなコンサルティングが今後求められていると述べられました。

 

 学生は、飛び交う専門用語に圧倒されながらも、質疑では矢継ぎ早に質問するなど、興味を抱いた様子が伝わり、熱気溢れる状況で特別講義が終わりました。


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