2025年12月17日(水)「健康運動科学概論」において、スポーツ健康科学部・同研究科創立15周年記念企画として、本学部・本研究科修了生の街 勝憲先生、天笠 志保先生、奥松 功基先生をお招きしました。
2025年度は、立命館大学スポーツ健康科学部・大学院の創立15周年にあたることから、その記念企画の一環として、各領域の授業において卒業生・修了生を招いた特別講義を実施しています。健康運動科学領域では、本授業を通じて、学生が将来の進路や学びの意義を具体的にイメージできる機会として本企画を実施しました。当日は、3名の先生方にご講演いただきました。
街 勝憲先生は、本学で博士課程を修了後、現在は国立研究開発法人国立がん研究センターに所属し、がんサバイバーに対する運動プログラムの開発や、体力低下予防を目的としたICT活用型の運動モデルの構築などの研究に取り組まれています。
講義では、研究の背景や社会実装の視点に加え、AIが発展する時代における研究者としての姿勢についてもお話しいただきました。AIは大量のデータや情報を高速に処理できるという強みを持つ一方で、情報の誤った解釈や拡散を招くリスクもあります。そのため、AIに頼りきるのではなく、自分自身で情報の正しさや意味を考える姿勢を持ちながら、学びや研究のための道具として適切に使いこなしていくことの大切さが学生に伝えられました。
天笠 志保先生は、本学部修了後、東京医科大学で博士号を取得され、日常生活における身体活動が健康に及ぼす影響、ならびに高齢者の健康長寿につながる身体活動パターンの解明に関する研究を行われています。
講義では、学生時代に主体的に行動し、興味をもったテーマについて教授や研究者に積極的に話を聞きに行った経験が、結果的に進路を切り開く大きなきっかけになったことも紹介され、在学生にとって「自ら動くことの大切さ」を実感できるメッセージとなりました。
奥松 功基先生は、本学部修了後、筑波大学大学院で博士号を取得され、乳がん経験者を対象とした運動介入に関する研究に取り組んでこられました。ご家族の体験をきっかけに研究の道を志され、術後の体力・体重管理や生活機能の改善を目的とした運動処方の有効性を、国際学術誌や学会で発表されています。
現在はフィットネスジム「リオールジム」の代表として、研究で得られた科学的知見を実際の現場に還元しながら、がん経験者一人ひとりの状態に応じた運動・栄養指導を行っています。講義では、大学院で培った専門性と研究成果を社会の具体的な課題と結びつけ、自ら起業という形で新たな支援の仕組みを生み出している点が紹介され、学問を社会に活かす姿勢が強く印象に残りました。
本特別講義を通じて、学生たちは、健康運動科学の学びが研究・医療・健康支援の現場でどのように活かされているのかを具体的に理解するとともに、大学院で専門性を深める意義についても考える貴重な機会となりました。