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【PBL活動報告】アスリートの回復を支える「睡眠の質」に着目した取り組み

 私たちのグループでは、アスリートの回復に欠かせない要素である**「睡眠の質」**に着目し、高強度トレーニング後に低下しやすい睡眠をどのように改善できるのかを検討しました。

睡眠は、身体的な疲労回復だけでなく、心身のコンディション調整や翌日の競技パフォーマンスにも大きく関わる重要な要素です。

 

一方で、学生アスリートは学業やアルバイト、不規則な生活リズムなどの影響を受けやすく、十分で規則的な睡眠を確保することが難しいという課題があります。これまでの研究では、高強度のトレーニングを行うことで交感神経の働きが高まり、寝つきの悪化や睡眠の浅さにつながることが報告されています。

 

実際に私たちの調査においても、高強度トレーニングを行った日は睡眠の質が低下する傾向が確認されました。そこで、高強度トレーニング後の睡眠をどのように改善できるのかを明らかにする必要があると考えました。

 

また、香りにはリラックス効果があり、アロマは心身を落ち着かせる手段として広く用いられています。しかし、高強度運動後という身体が強く覚醒した状態において、アロマが睡眠にどのような影響を与えるのかについては、十分に検討されていません。

そこで本研究では、練習強度と睡眠の関係を把握した上で、高強度トレーニング後の睡眠に対するアロマの効果を検討することを目的としました。

研究の概要


 前提実験として、男子陸上競技部長距離パートに所属する大学生10名を対象に、練習中の心拍数と睡眠時間、睡眠の質との関係を調査しました。測定は1019日から27日までの期間に行い、日常生活を維持した状態で心拍数や睡眠データを継続的に記録しました。これらのデータをもとに、練習負荷の高い日と低い日の睡眠の違いを分析しました。

 

その後、1215日および22日に、高強度運動後の睡眠に着目した実験を実施しました。自転車エルゴメーターを用い、心拍数が160bpmとなる一定の強度で運動を行い、その後の睡眠について、アロマを使用する条件と使用しない条件を比較しました。睡眠評価には活動量計による客観的指標と、アンケートによる主観的評価の両方を用いました。

結果と今後の展望

 

 その結果、本研究の条件下では、アロマが高強度トレーニング後の睡眠を有意に改善する効果は確認されませんでした。しかし、トレーニング強度と睡眠の質の関係をデータとして明らかにすることができ、学生アスリートにおける睡眠管理や回復方法を考える上で、貴重な知見を得ることができました。

 

今後は、使用する香りの種類や強度、介入方法を工夫することで、高強度トレーニング後の回復をより効果的にサポートできる可能性があると考えられます。本研究の成果は、アスリートのコンディショニングや睡眠改善を考える上での一つの基礎的資料として活用されることが期待されます。

20260213 gotou_PBL_1

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