コラム

Column

オンラインで超える垣根と国際理解

立命館大学サービスラーニングセンター OIC学生コーディネーター

こんにちは。立命館大学のOIC学生コーディネーターのローです。このコラムでは、昨年実施された国際理解に関するオンラインでの活動について紹介します。

昨年はコロナウイルスの影響で社会において多くの活動が制限されました。そんな中、小中学校における国際理解の授業がなくなってしまったという社会課題を知り、この学びの機会に参画することになりました。

学生コーディネーターはボランティア相談に乗ったり、地域活動の機会を生み出すことを通じて、学生と地域を繋ぐ活動をしています。地域の課題に取り組むという視点から携わることになりました。また、活動は国際教育センターに所属するRM(レジデントメンター)と協働して行いました。RMはインターナショナルハウスと呼ばれる立命館の国際寮に住み、そこに住む留学生の生活支援や交流の機会を促進する活動をしています。国際視点や留学生との繋がりという点から携わりました。こうして色々な関係者のサポートの元、学生7名が主体になり企画を進めることとなりました。

私達は2つの取り組みを実施しました。

1つ目に、茨木市がオンライン上で行っている#エール茨木というプロジェクトでの発信活動です。2人の留学生を招き、日本や母国についてインタビューを行ったり、料理を作ってもらう様子を動画に収めました。撮影日には、これまで画面越しのみで会っていたメンバーが初対面という奇妙な感覚も味わいました。動画撮影は経験がなく、見通しが立たなかったことからかなり時間も押し、コメントの難しさも感じました。留学生に話を聞く中では、一部の人は「外国人=英語が話せる」という固定概念を持っているといったような普段では気づかない点を指摘され、自身の行動について考え直すきかっけにもなりました。

2つ目の活動として、12月下旬に立命館大学大阪いばらきキャンパスにおいて開催された「Asia Week」で企画を行いました。日本と外国の文化の違いや交流会、シチュエーションを設けたケーススタディを行い、よりリアルに知ってもらう機会となりました。チャット上で随時コメントを進めたことにより、活発な交流が促進されました。

活動の上で最も大切にしたことは、メッセージを統一させることです。運営メンバーのこれまでの活動内容や背景の違いから、それぞれ思いがあり、構想段階ではまとまりのない企画でした。議論をする中で私達は「私達は共通点がたくさんある同じ人間だ」というメッセージを企画に込めることにしました。同じ人間、と書くと大げさに聞こえますが、企画のメイン対象となる小中学生に伝えるにはそのくらいストレートな方が良いと思いました。私達は同じように学校生活を送り、美味しいものを食べて喜びを感じ、同じ境遇で苦しみ、コミュニケーションを取ることで相手を分かり合うことができます。しかし、「〇〇人」、また「外国人」といった簡単な言葉によって片づけてしまうことがあります。そうした現状を変えられたらと私達は思い、企画の内容に反映させていきました。

2つの企画は多くの人に携わってもらうことで実現しました。一斉に集まることができないため、情報共有や役割の明確化など、これまで「なんとなく」や「空気を読む」ことで成り立っていた作業や活動が進まないことに気づかされました。より主体的にコミュニケーションをとる必要があると思わされました。

取り組みの中では、言葉について考える機会が多くありました。例えば、「異文化理解」という言葉はよく使われます。しかし、異なる、という言葉を用いることにより私達とあなたは違うんだ、という印象を与えます。私達は多文化共生という言葉をイベントで用いましたが、多文化とはいったいどこからどこまでか、人によって考えは異なります。言葉一つとっても伝えるメッセージによって選ばなければならないと思わされました。

2021年になりましたが、コロナウイルスはまだ猛威を振るっています。Withコロナ、Afterコロナの世界に対応していく必要があります。動画やオンラインでの繋がりによって物理的な障害を越えた今、私達にできることはこれまで出会うことのなかった人、組織、環境同士を繋げることにより新しい社会の価値を生み出すことではないかと今回の企画を通じて感じることができました。

ボランティア|COVID-19|学生コーディネーター|在学生
  1. 地域と出会う
  2. コラム
  3. オンラインで超える垣根と国際理解