◆学生ボランティアの魅力は様々な人との繋がりができる事 

これまで、シチズンシップ・スタディーズや学生コーディネーターとして学生ボランティアを行う中で魅力的だと感じたことは、大学の他の回生・学部の人や、地域の方、社会人の方など、様々な人と出会い、活動できるところです。

大学１年生の時に受講したシチズンシップ・スタディーズ（以下、シチスタと称する）が、私が初めて行った学生ボランティアでした。シチスタとは、言うなれば地域が受け入れ先のインターンシップです。地域で活動されている団体さんと共に、課題解決に取り組みます。受講当時のBKCでのテーマは、「草津街あかり・華あかり・夢あかり（以下、草津街あかりと称する）」と呼ばれる草津市を代表するお祭りの活性化でした。例年通りならお祭りにクイズラリーのブースを出展する予定でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で祭りが中止となり、新たな企画を考える必要に迫られました。企画した代替案がその影響で頓挫することもありましたが、歴史ある祭りを途絶えさせてはならないという思いから、オンラインで「草津街あかり」を開催するに至りました。そして、企画を進める中で、得られたものがいくつもありますが、その中でも特に印象に残っているのは、私たちの受け入れ担当の市役所職員さんとの出会いです。企画を通してアドバイスを下さった方であり、いつも親身になって相談に乗って下さったことを覚えています。企画以外のことについて話すこともあり、自分にとっては、同世代の仲間でもなく、親でもない、でも自分よりも社会に出て様々な経験をされている方と知り合い、そういう方とお話しする機会を大学生の間に得ることができ、同世代同士で活動していては気づくことができなかった視点を認識することができたと思います。

大学時に学生ボランティアをすることで、様々な人との繋がりができ、自分が社会とどの様な関わりを持っているか、今後どの様な関わりをしたいか考えるきっかけになりました。また、何より、地域で活動し、地域の方に喜んでいただけた時は何にも変え難い喜びを感じることができ、それも大きな魅力の一つです。

◆学生ボランティアの今後の展望

シチスタ受講後は、学生ボランティアの面白さを周りの人にも伝えたいという思いから、地域と学生を繋ぐ学生コーディネーターとなりました。

活動の一つに、窓口コーディネーションがあります。サービスラーニングセンターにボランティア探しの相談に来た学生に対し、その人に合った活動先を一緒に探すという活動です。学生コーディネーターに就任した当時はコロナ禍で相談者がほぼいなくなると共に、紹介していた活動先も活動を停止してしまいました。しかし現在は、コロナ禍が明け、センターへの相談者が戻りつつあります。最近の相談者の特徴として、海外でのボランティアを求める人が増えていることや留学生の相談者が増えていることが挙げられます。これまでは大学周辺地域でのボランティアを紹介することが多かったため、新たなニーズへの対応に迫られています。また、相談者の多くはそもそもどの様な活動に自分が参加したいのか分からないことが多く、学生コーディネーターが相談者と時間をかけてお話ししながら、その人に合う活動を探しています。この活動を通して気づいたことは、同じ相談者でも、「自分で何に興味があるのか分からず一緒に探してほしいタイプの人」、「地域活動のきっかけがほしい人」、「自分のやりたいことが明確な人」など、いろんなタイプの人がいるということです。私の周りでは地域でのボランティアに参加した学生から時折、思っていた活動ではなかったという言葉が聞こえてくることがあります。こうした活動のミスマッチを防ぐことが今後、学生ボランティアを進める際の課題の一つです。学生コーディネーターの様に信頼できる人に自分に合った活動先を紹介してもらうのも一つの手だと思います。ボランティアを行いたい一人一人に向き合い、ミスマッチを無くし、学生と地域がお互いに助け合い、学び合えるような関係づくりを進めたいです。

最後に、学生ボランティアの活動をしていると様々な人との繋がりができ、とある活動先での繋がりが別の活動先でも繋がることがあり面白いです。いろんな人と話すことは学生ボランティアだからこそ得られる貴重な機会であり、自分の中に物事を考える引き出しが増えたように感じます。４年間、学生ボランティアを通して関わったすべての方に感謝しています。そしてこれからボランティアをしてみたいと考えている大学生の皆さん、ぜひ一度、学生コーディネーターまでご相談くだされば幸いです。