−実世界を超える「音体験」ができるラボ−
音に包み込まれる感覚全身で味わう椅子、
森林浴ならぬ「音浴」など、
想像を超える未知の「音体験」を楽しもう!

代表研究者:西浦 敬信


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この椅子はなんでしょう?マッサージチェアではないですよね。
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音に包み込まれる感覚を音体験ができる椅子です。音による全身マッサージと言ってもいいかもしれせんね。頭の近くだけでなく、手元や座面にもスピーカーや振動板がたくさん埋め込まれていて、全身が音に包まれるような感覚が味わえます。音の振動も体を突き抜けるようにしてあるので、まるでその場にいるかのような臨場感もあるんですよ。
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目の前でオーケストラ演奏を聴いているみたいな感じになるんですね。
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最高の音質での音楽体験ができるのはもちろんですが、行ったことがない場所の音、実際には聴くことのできない音を体験することもできます。例えば、大谷翔平選手がホームランを打った時の打撃音を聴いてみたいと思ったら、アメリカまで行かなくても、ここに座ればすぐ近くで観ているようなリアルな音が体験できます。しかも、例えばキャッチャーの位置や、さらには打撃時のボールの位置での音も表現できるんですよ。
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すごいですが…どういうことかよくわかりません。

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実際にはない景色をモニターにリアルに再現できるのがCGなら、これはCGの「音」バージョンと言えばいいでしょうか。しかも、映像と違い、モニターなどに投影されるのではなく、現実の空気を通ってくるリアルな音です。本来なら聴けない音がリアルに聴こえる。私は「実世界を越える音体験」と呼んでいます。
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音は空気を通って聴こえるのか…だから、「音のCG」もリアルに聴くことができるんですね。
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音は「振動」が波として空気の中を伝わるものなんです。この椅子で音を聴けば、そのことがよくわかると思いますよ。
「体験型音響アトラクティブ空間」とは?
「音を録る」といえば、マイクが必要だと思うでしょう。でも実は、レーザーの光を使えば、離れたところからでも音を録ることができます。音量が小さすぎてマイクでは拾えない、例えばカブトムシの鳴き声も録ることが可能。それは音が「振動」だからです。のどに手を当てて声を出すと、のどが震えているのを感じますよね。その「振動」をレーザーで計測して、音として再現することができるのです。
音響工学を専門とする情報理工学部の西浦敬信先生のラボは、こうした音に関する最新の研究を実体験できるようになっています。「ここでしかできない音体験ができるラボです。音は見えないものですが、それを身体で感じてもらえるような空間にしたいと思っています」。


「アクティベーションシート」に座ると、音に「振動」を少しプラスすることによって、よりリアルな音が身体で感じられたり、音や振動の位置をコントロールすることによって身体をすり抜けていく音、オーケストラのトランペット奏者が聴いている音など、ありとあらゆる音体験を楽しむことができます。「これまでに何百人もの人にモニターになってもらいましたが、体形や筋肉量によって、感じ方がかなり違うことがわかってきました。ですから、まだまだたくさんの人の感想を聞きたいですね。『アクティベーションシート』は近い将来、大手電機メーカーから商品化される予定です。体験して、感想を商品開発に関わってみたい人はぜひ体験してください」。
私たちの考える「音」を超える体験もできます。超音波が出るスピーカーで、人間には聴こえない高周波の「音」を浴びるというものです。「人が森に行くと元気になるのは、樹々の揺れる音、水の流れる音など、森の発する高周波の音が、アスファルトやコンクリートによって消えることなく身体で感じられることも一因と言われています。日光浴みたいな感覚でぜひ体験してみてください」。
いばらき×立命館DAYでの様子
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voice 01
参加者の声
今の椅子はすごかったです。うーん心地いい振動があってリラックスできる感じでした。周りの音がまったく聴こえなくて、すごい没入感、自分だけの世界に入れた感じがしました。映像も一緒なら、さらなる没入感を感じられるのではないかと思います。
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voice 02
学生の声
幅広い年代のすごくたくさんの方に来ていただきました。予想通りの反応をいただけています。視聴する曲は、今回は企業様が用意してくださったんですけど、子供向けの曲が少なかったので、お子さんに反応してもらえる曲を用意できればさらに良かったかなと思います。
先生からひとこと
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西浦 敬信
情報理工学部 教授
専門分野:音響科学
関連リンク
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VRの世界では、バーチャルをいかにリアルに近づけるかが課題ですが、私は、『音はリアルを超えられる』と考えています。実空間では体験できないような音もバーチャルで作れてしまいます。リアルとバーチャルを融合することで、人間がまだ体験したことない「最高環境の音空間の構築」が目標です。
音の研究は幅広く、例えば歯医者さんの機械の音を心地よい音に変える研究も進めていますし、レーザーで音を録る研究も進めば、今はプロペラ音が邪魔になっている「ドローンを使って上空から地上の音を録る」ことも可能になるでしよう。「音は振動である」ということを身体で感じ取ってただき、音に関わる広い世界に興味を持ってもらえたら嬉しいです。