磯崎研究室

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研究

微小カプセル

 細胞に代表される生体物質の多くは、髪の毛の太さの10分の1以下と小さく、ひとつひとつ固有の特性を持っています。 従って、生体物質の計測を試みるとき、その小ささから取り扱いが極めて難しく、また、その多様性から大規模かつ高速な計測技術が必須になります。 さらに、生体物質の中でも細胞やDNAは自己増殖するので、各々を隔離された環境に置く必要があります。 これらを実現するために、極めて小さなカプセルを作って、その中に単一の生体物質を閉じ込める研究が世界中で行われています。 私たちの研究室でも、独自に設計したマイクロ流路を用いて新しい細胞封入用カプセルを開発しています。 また、液滴内に生体物質材料を入れて培養することで創り出したタンパク質を、液滴ごと高速に選抜するシステムの開発に取り組んでいます。 これらの技術開発は、流体力学に加えて、制御工学や電子機器や光学などの知識を結集して進めています。

微小カプセル

細胞分取流路

 細胞は同じような見た目をしていても、個々に違った特性を持っています。 特徴のある細胞を手元に持ってくることができれば、その細胞を利用して、病気の原因を解明したり、地球環境保全に使ったり、幅広い応用が考えられます。 私たちの研究室では、特に藻類細胞という地球環境保全や食品応用の可能性のある細胞に着目して、それらの能力の高い細胞の高速分離を目指しています。 特に、細胞の機能と機械的特性の関連を上手く利用して、それらの細胞を高速分離できる新しい細胞分取デバイスの探索に取り組んでいます。 これらの技術開発には、細胞の機械的特性を調べることや、マイクロ流路内で発生する流体力学的な力と細胞の機械特性のバランスを調べることが重要です。 さらに、音響波などの力を外から与えることにより、制御性を良くする試みにも挑戦しています。 このように、機械工学の知見を総動員して新しいデバイスを創出します。

細胞分取流路

タンパク質結晶高速計測システム

 タンパク質は、生物の基本的な構成要素のひとつです。 タンパク質はアミノ酸がひも状につながった分子で、体内ではそのひもが折りたたまれて立体的な形をとります。 この3次元構造はとても複雑で、解析するためには、例えばタンパク質を結晶化して、X線を当てて、その回折パターンを解析することが必要です。 しかし、X線を照射するとタンパク質の結晶は簡単に壊れてしまいます。 私たちの研究室では、タンパク質結晶を次々にX線照射位置に送り込み、連続して構造解析できるシステムの開発に挑戦しています。 特に、光合成を行うときに重要な役割を果たすタンパク質に着目し、 X線解析装置のみならず、光に対するタンパク質の挙動をピコ秒オーダーで計測できるシステムへの導入も可能とするシステム開発に取り組んでいます。

タンパク質結晶高速計測システム

細胞分取システム

 細胞の機能を検出するために、最も一般的に用いられている手法は蛍光染色です。細胞に付いた蛍光物質の色で細胞の機能が判定できます。 この方法で検出された細胞のうち、重要と考えられる細胞を物理的に単離して、 さらなる解析や応用展開に利用するためのシステムも世界中で研究されており、商品化されている装置も多々あります。 私たちの研究室でも、このような装置の基礎となる光学系を自分たちで構築し、その中に独自で開発したマイクロ流路を組み込むことで、 高性能な細胞分取システムを開発することを目指して研究に取り組んでいます。
 例えば、我々は最近、2つの機能を持つ特殊な壁として振る舞うマイクロ構造を発見し、 それを用いた細胞分取デバイスの高性能化を試みています。*この研究は、競輪の助成を受けて実施しました (詳細PDFはこちらをクリック)。

細胞分取システム

マイクロ流路用ヒートシンク

 生体物質は熱に弱いものが多いので、システムの温度管理が重要なことが多いです。 エネルギーを使って強制的に冷却することも可能ではあるのですが、システム全体を小型にしたいときや、省エネルギーで稼働させたいとき、 ヒートシンクなどで外部エネルギー無しで冷却する手法の開発が望まれます。 私たちの研究室では、特に生体物質操作用の超音波発生素子に生じる熱を、大気中に高効率に逃がすためのヒートシンクの開発に取り組んでいます。 具体的には、金属3Dプリンタを用いて、従来の切削などの方法では作製が難しかった複雑なヒートシンク構造を実現し、 高冷却性能を持つヒートシンクの開発を目指しています。

マイクロ流路用ヒートシンク

細胞画像解析

 私たちは日常的に血液検査を受け、血液中にどのような細胞がどの程度存在するか調べて、健康状態を推定しています。 多くの場合は、細胞の種類と数を検査するにとどまっていますが、同じ種類の細胞であっても、細胞の表面や内部にあるタンパク質が、 どのように分布しているかを調べると、その細胞の活動の様子が推測できる可能性があります。 私たちの研究室では、共同研究者から大量の血液細胞画像を提供してもらい、その画像を一括で解析できるアルゴリズムを構築しています。 AIを含む画像解析手法を用いて単一細胞解析による免疫診断法の開発を目指しています。

細胞画像解析