公募研究概要 (平成21年度 公募研究の募集は終了いたしました)

窒化物半導体は、その優れた物理的特徴から、青色発光ダイオード、青紫色レーザなどを実現し、社会の発展に大きく寄与してきた。しかし、窒化物半導体の持つ材料本来のポテンシャルからすれば、これまで開発された技術の適用波長範囲は、そのほんの一部でしかない。
本領域では、材料、物性、デバイスの全ての階層での全波長領域(紫外域〜赤外域)にわたる横断的研究に取り組むことによって、「新規結晶成長技術の開発」と「欠陥物理と発光機構、不純物活性化機構の解明」に基づいて、窒化物半導体が本来持つ優れた潜在能力を極限まで引き出し、その適用波長領域の限界を外縁に広げて、超広波長域光エレクトロニクス分野開拓のための基盤技術確立に寄与し、21世紀の課題解決のための重要な科学・技術の基盤を構築しようとするものである。
研究項目A01では、InN系では低温成長技術、AlN系では高温成長技術、その場観察手法、新規基板結晶開発により、AlN系およびInN系窒化物半導体高品質結晶成長への本質的共通課題解決を目標とする研究を行う。研究項目A02では、超広波長域・超高効率発光デバイス物理解明を目標とし、発光ダイナミクス、点欠陥の評価と物理、ナノ・ヘテロ構造物性評価に関する研究を行う。研究項目A03では、窒化物半導体紫外発光デバイスの量子効率限界追求を目指す。研究項目A04では、窒化物半導体長波長光デバイスの潜在能力開拓・デバイス創製に関する研究を進める。
 このため、次の研究項目について、「計画研究」により重点的に研究を推進するともに、これらに関連する一人又は少数の研究者による2年間の研究を公募する。1年間の研究は応募の対象としない。
 公募研究の単年度当たりの応募額は、500万円を上限とする。採択目安件数は、概ね8件程度を予定している。特に、新規なアイデアに満ち溢れる若手研究者が、独創的提案を行い、公募研究代表者として参加することを期待する。

(研究項目)

A01 結晶成長技術
A02 物性評価
A03 短波長デバイス基盤技術
A04 長波長デバイス基盤技術