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2013年11月11日~11月17日 「東日本・家族応援プロジェクト2013 in 二本松」




「東日本・家族応援プロジェクト2013 in 二本松」を開催しました



東日本家族応援プロジェクトin二本松2013 (立命館大学大学院応用人間科学研究科 教授 徳田完二)

   今回の活動を通じて気づいたことなどを思いつくままに記す。

   まず、すばらしい晴天にめぐまれ、ありがたかった。またとない行楽日和という感じで、プロジェクトに関心を持っていただいた方は参加しやすかったのではないだろうか。

   この活動も3年目だが、3年目になると会場に対する「なじみ感」が強まったようである。「外回り」の活動から二本松市民交流センターに帰ってくると「帰ってきた」という感じがした。

   わたしとしては、二本松では今までになかった試みを2つ企画した。一つは子育てに関する話し合い(子育てトーク)の場を設けてみたこと、もう一つは支援者支援を目的としたワークショップを試みたことである。

   子育てトークの参加者は4名の母親で、どの方も程度の差はあれ何らかの障害を抱えた子どもをお持ちであり、そのことをめぐってめいめいに思いを語っていただいた。はじめは「何か話を聞かせてもらえる場」と思ってこられたようだが、それよりもむしろ自分たちが話すことに重点を置いていることを伝えると、初めは緊張気味にではあったが、だんだんと、普段ほとんど話す機会のないと思われる話をそれぞれが思いを込めて語り、また、おたがいの話に耳を傾けておられた。小さな集まりだからこそ話せる内容だったと思う。このような企画の意義は参加者の数では計れないものであろう。また、震災被害そのものの話はほとんどでなかったが、参加者全員が障害児問題をかかえていたということは、災害など何らかの負荷がかかった場合、もともと困難を抱えていた人により多くの負荷がかかることを示唆しているのだろうとも思った。参加者のうちのお一人は、翌日の遊びのワークショップにも参加され、子どもさんの様子を見てもらいながら相談するという体験をすることができ、有意義な二日間になったようであった。

   支援者支援のためのワークショップは、「セラピスト・フォーカシング」という名前で、対人援助の支援者同士が支え合う目的で使うべく普及されつつある技法を試みた。これは、わたしの言う「収納イメージ法」と本質的には同じもので、参加者の心の奥に深く入り込むことなく援助ができるすぐれた方法である。8名の参加者に対して2時間程度かけて解説と実習を行ったが、何名かの方からは「とても効果的だった」との感想をいただき、その意味でこの企画はうまくいったと受け取ることができた。遠隔地から現地に出かけて行って支援することはごくまれにしかできないが、現地の支援者同士が支え合う方法を普及することができれば、その意義は大きいと思う。

   今回の活動でもう一つ感じたことがある。それは、子どもを対象とした「遊びのワークショップ」で協力してもらった高校生・専門学校生のボランティアの活躍である。すべて女子であったが、実にうまく子どもたちの相手をしてくれたため、遊びの場がとても参加しやすいものになったようである。実は、今回市民交流センターで行った遊びのワークショップの参加者は地元の人ばかりではなく、このセンターで行われた展覧会への参加者なども含まれていた。つまり、「たまたま通りかかったら、楽しそうなので参加してみた」という人たちが何組かいたということである。それくらい気軽に入れる雰囲気のある場であったのであろう。そのような雰囲気作りにおいてボランティアは多く寄与したと思う。また、このボランティアはみな地元の人であり、ボランティアと参加者の交流は地元の人どうしの関わりでもあった。

   今回の活動を通して感じたことの要点は、「地元の人同士の支え合いや関わり」を「地元の外にいる人の関与」によって促進するということに関わっていると言えよう。

 二本松市への支援活動 (大阪女子短期大学 荒木美知子)

   2013年度は11月16日および17日に福島県二本松市を訪問した。今回で3年目である。スタッフについても主な方たちもすっかり馴染みとなり、ある意味、あうんの呼吸で活動をすることができるようになってきた。とはいえ、それぞれが遠隔地であること,復興支援と言ってもその内容は当然変わっていくべき点もあり,心して取り組んできた。 

   今年度は,“パパとクッキングコーナー”も作られ,お父さんと子どもたちに人気を博した。このような取り組みの要求の高さも改めて感じられた。しかも食材の線量を測るなど、やはり原発の問題をしっかり真ん中に据えての取り組みである点がとても重要だと改めて実感した。

   あそびのワークショップとしては、すでに「あそびのワークショップについて」として提案した(別紙参照)。手作りおもちゃ、伝承遊びをメインとした取り組みを今年度は意識的に提案し,準備してきたつもりである。

   子ども達は,我々の準備不足にも関わらず,それらを使って思いきり楽しんでくれた。やはり子ども達の笑顔が最大のご褒美というところか。もうひとつ、今回の取り組みでは高校生や専門学校生のお姉さんがボランティアとして大活躍してくれた。やはりこの若さ、エネルギーにはかなわない。子ども達も思い切り楽しんでいた様子がとても嬉しかった。子ども達と関わりながら自らも楽しんでいる様子がとても印象的であった。

   子ども達もまた、一緒に参加されたお父さんやお母さん、ときにおじいちゃんやおばあちゃんもきて、気楽に楽しめる場があることの大事さ,子ども達が思い切り全身を使って遊ぶことができる場の重要であることを改めて実感した二日間であった。ボランティアの高校生たちや,遊びに参加してくれた子ども達がこれからもこの素敵な笑顔が絶えないことを心から祈る思いである。そして、また来年もこの笑顔に会いに行きたいと思いつつ,帰路についた。

  あそびワークショップについて

★「手作りおもちゃであそぼう!」
手作りおもちゃをつくります。
おもちゃを作りながら、おしゃべりしたり、それで遊んだりする時間を楽しみましょう。
★「伝承おもちゃであそぼう!」
 剣玉、コマなど伝承あそびをお兄さん、お姉さんとあそびながら、技を競い合いましょう
★「身体を使ってあそぼう!」
 大縄飛び、縄跳び、大玉転がしなど,広場で思い切り身体を動かして,爽快!になりましょう。
★「みんなで楽しみましょう」
  シャボン玉、カプラなど、それぞれの楽しみ方で、楽しいひとときを過ごしましょう。
                      2013.10.5 荒木美知子・森周・中野さん

  

  

  

  

  


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