2009年度研究会報告
第1回(2009.6.6)
テーマ | (1)今後の研究活動について (2)「インドネシア・バリ州におけるエコツーリズム」 |
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報告者 | (2)井澤 友美(立命館大学大学院国際関係学研究科後期課程) |
報告の要旨
1.2009年度の活動計画について以下のような取り組みを行うことを確認した。
①研究会メンバーによる集会を年4回開催する。第2回研究集会は6月27日(土)に立命館アジア太平洋大学より石井由香氏を招聘し、同氏による東南アジアの国際労働力移動とツーリズムに関する研究動向に関する報告と討議を行う。
②11月7日(土)「アジアのツーリズムの現在」(仮題)をテーマとした公開のワークショップを本学衣笠学舎にて開催。マレーシア、タイ、APUなどからも研究者を招聘し、報告と討議を行う。
③Journal of Ritsumeikan Social Sciences and Humanities Vol.2を「アジアにおけるツーリズムの展開と人の移動」(仮題)をテーマとした特集号とし、本研究会の活動の成果を国内外に発信する。
2.研究報告
井澤友美氏(立命館大学国際関係学研究科後期課程)「インドネシア・バリ州におけるエコツーリズム」井澤氏より、これまでのフィールドワークにもとづいた研究成果について、以下のような内容からなる報告を得た。
エコツーリズムは現代の国際ツーリズムの潮流において欠くことのできない「もう一つのツーリズム」として脚光をあびているが、観光地として国際的に知名度の高いバリ島においてもさらに集客力を高めるため、近年「エコツーリズム」を標榜するプロジェクトが展開されている。しかし、それらの多くは、「エコツーリズム」という本来の定義や目標から逸脱した、「エコ」という名称だけを看板にしたものにすぎず、単に動植物などの自然を観光資源とした「ネーチャーツーリズム」とみなすべき実態がある。今後、さらに個々の事例について精緻な現地調査を継続し、「エコツーリズム」を標榜し推進する主体(組織)、地元民、来訪者に対するインタビュー調査を通じて、インドネシア・バリにおけるエコツーリズムのありようについてその問題点を究明していきたい。
井澤氏の報告後、バリのエコツーリズムの事例に関する質疑応答語、あらためてエコツーリズムとは何か、世界各地で展開されているエコツーリズムの実態とゆくえについて討議がかわされた。
藤巻 正己