これからの講座・イベント

2019年12月読書会「生と死」白朗を読む

永井 英美 氏(立命館孔子学院中国語講師)

時間:12:30~14:30

場所:立命館孔子学院図書室

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読書会は原則、隔月で偶数月に開催します。中国の短編小説を日本語訳で読んで感想を語り合い、また作者について学び合います。
中国の小説に興味がある方、本を読むのが好きな方、読書会を通して中国の文化や歴史についての興味や知識を深めるとともに、
楽しみながら勉強を続ける仲間を見つけてみませんか?


作品紹介(冒頭)

おばさんは一度腰を下ろしてから、また立ち上がった。両足はがくがく震え、目の前の黒い雲はしばらくしてからようやく消えた。おばさんはふうっとため息をついて、壁に触り、天井を見上げた。思ったとおり壁はまだひんやりと湿っている。南京虫の死骸と血痕で描かれた壁画は消えていた。空気もやや澄んだようだったが、その湿気には澱んだ石灰のにおいが混ざり、今なお息が詰まるように感じられた。天井は?天井はやはり低く、腕を伸ばせば、そのいちばん高い部分に手がとどく。低くて息苦しい。どんなに壁を白く塗ろうと、この暗い地獄を明るくすることはできまい。


作者紹介

白朗(1912-1994)
遼寧省瀋陽出身。本名は劉東蘭。小学校の教師をしていたことがあるが、満州事変後、29年に共産党員となっていた夫の作家羅烽とともに楊靖宇の指導する反満抗日活動に参加。33年ハルピンの『国際協報』記者となり、同紙副刊の主編を務める。同年、地下共産党の指導と協力の下、『文芸』週刊を創刊。劉莉、戈白の筆名で執筆を始め、『夜哨』や『文芸』に発表。36年上海文芸家協会に加入。今回の「生与死」はこの時期に書かれた小説。中国を代表する女性作家のひとり。地味だが、確かな描写と構成の作品を数多く残している。


テキストについて

現在、二玄社『中国現代文学珠玉選[小説3]』所収の作品を順に読んでいます。
テキスト購入費は参加者負担ですが、現在絶版となっておりますので、前日まで、もしくは当日の開始30分以上前にお越しくだされば、事務局で作品のコピーをお渡しできます。図書館や古書をご利用いただいても結構です。


定員

15名程度(要事前申込)


参加費用

無料


お申し込み方法

電話、FAX、メール(宛先:koza@st.ritsumei.ac.jp)にて前日までにご予約ください。
※お申込の際は、①お名前(氏名・フリガナ)、②連絡先(電話番号、メールアドレス)、③参加ご希望の講座名・日程を明記ください。

※画像をクリックすると詳細(PDF)が表示されます。
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