これからの講座・イベント

2020年10月読書会「夜」丁玲を読む

永井 英美 氏(立命館孔子学院中国語講師)

時間:12:30~14:30

場所:立命館孔子学院図書室

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読書会は原則、隔月で偶数月に開催します。中国の短編小説を日本語訳で読んで感想を語り合い、また作者について学び合います。
中国の小説に興味がある方、本を読むのが好きな方、読書会を通して中国の文化や歴史についての興味や知識を深めるとともに、
楽しみながら勉強を続ける仲間を見つけてみませんか?

※感想を話し合いますので、なるべく事前に作品を読んでご参加ください。
前日まで、もしくは当日の開始30分以上前にお越しくだされば、事務局で作品のコピーをお渡しできます。


作品紹介(冒頭)

 羊の群はもう庭の中に追い込まれたが、趙家の上の娘はまだ自分のヤオトン(窰洞)の入り口に坐って、靴の甲を縫っていた。何かで首を廻すと、両肩の上に垂れている耳環が激しく揺れる。羊の群れは押し合いながら柵の中に走り込んで行く。外に出ていなかった数頭の子羊は、跳ねながら片隅に押しやられて、鳴き声をあげた。
 こちら側のヤオトンの狭い炕(カン)に集まっていた選挙委員会の委員数名が、つぎつぎに窓から跳び出してきた。会議をおえたばかりなのだが、まだ何か話し合っている。靴の甲を縫っていた清子はまたこちらに顔を向けて、からみつくような、また軽蔑を含んでいるようでもある笑顔を浮かべた。


作者紹介

丁玲(1904-1986)
湖南省臨澧出身。本名は蒋冰之。幼時に父を失い、教師として自立した母に育てられる。上海の女学校、上海大学に学ぶが中退、この頃無政府主義の影響を受ける。後北京に出て、27年短編「夢珂」を『小説月報』に発表したのを最初に創作活動を開始、特に「莎菲女士的日記」で若い女性の心理を大胆に書いて注目された。やがて左翼化し、30年左翼家連盟に加盟。左連機関誌『北斗』の主編を務める。32年中国共産党入党、33年国民党特務に上海から南京に拉致され、監禁・軟禁。36年南京を離れて延安に入り、文化宣伝工作に従事、「夜」など新旧入り交じった延安地区の現実を個性ある短編に書いた。人民共和国成立後は、文芸界の要職に就くが、57年「反右派闘争」が始まると、「右派」とされた。黒龍江省北部の荒れ地に下放されたり、北京付近で投獄された時期もあったが、「文化大革命」後の79年に名誉回復、拉致事件の前後を語る「魍魎世界」の他、少なくない作品を残した。


テキストについて

現在、二玄社『中国現代文学珠玉選[小説3]』所収の作品を順に読んでいます。
テキスト購入費は参加者負担ですが、現在絶版となっておりますので、前日まで、もしくは当日の開始30分以上前にお越しくだされば、事務局で作品のコピーをお渡しできます。図書館や古書をご利用いただいても結構です。


定員

15名程度(要事前申込)


参加費用

無料


お申し込み方法

電話、FAX、メール(宛先:koza@st.ritsumei.ac.jp)にて前日までにご予約ください。
※お申込の際は、①お名前(氏名・フリガナ)、②連絡先(電話番号、メールアドレス)、③参加ご希望の講座名・日程を明記ください。


※画像をクリックすると詳細(PDF)が表示されます。
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