心理プラスな人(修了生メッセージ)

2023

経営学と心理学を修めて、心あるビジネスのあり方を探る。

加藤 大智 さん
人間科学研究科 博士課程前期課程1回生

株式会社ワコールキャリアサービス 勤務

加藤さんが人間科学研究科に入った経緯を教えてください。

私が株式会社ワコールに就職したのは、人の心や感情と向き合う仕事がしたかったからです。下着という女性の心理と密接に関わる仕事で、マーチャンダイザーなど商品開発の現場で、顧客の快適さ、高揚感などについて考えてきました。その後は人事部で働き方改革、教育研修、労働組合との窓口などの業務に携わり、現在は株式会社ワコールキャリアサービスに出向して、人材紹介のエージェント業務を担当しています。

キャリアを通して常に人の心と向き合う仕事に携わってきたので、心理学をより専門的に学びたいと考え、立命館大学大学院人間科学研究科に進学しました。


どんなことを研究しているのですか?

指導教員の高橋 潔先生のもと、特に現職に関連するところとして、産業組織心理学に基づいた採用に関連する研究に取り組んでいます。採用される人を評価する方法、組織との適合度などを統計学的な手法で「見える化」することに挑戦しています。社会実装を想定していて、採用する側とされる側のベストフィットを生み出したいと考えています。

研究を通じてわかったのは、組織や採用理由ごとに評価基準が変わってくるので、一概にどちらかだけを評価するのは難しいということです。採用する側と採用される側の双方への理解を深め、個別に考えないとベストフィットを生み出すことはできないということが明らかになってきました。まだまだ課題は多いのですが、感覚的な評価ではなく、統計学的な手法を用いてエビデンスに基づいた採用活動のあり方を模索していきたいと考えています。


人間科学研究科の魅力を教えてください。

多様なバックボーンを持つ人たちと出会える環境が大きな魅力だと感じています。私は長年ビジネスの現場にいたので企業の論理で考えがちでしたが、心理学を学んでいると福祉に携わる人も多く、何よりも困っている人への援助を最優先に考えているケースがあります。私にはとても新鮮で、仕事のあり方を考え直すきっかけになりました。もちろんビジネスですので、収益性とのバランスを図ることは大切ですが、血の通った仕事をするためには、人の心をより深く研究する必要があると考えています。


(Profile)

関西学院大学では野球に打ち込み、名古屋大学大学院経済学研究科に進学。株式会社ワコールに就職後、人事部などを経て、株式会社ワコールキャリアサービスに出向し、人材紹介のエージェントを担っている。

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