教員紹介

MASUDA Rika

増田 梨花

増田 梨花
所属領域
対人援助学領域(博士前期・後期担当)
職位
教授
専門
臨床心理学全般・発達臨床心理学・学校臨床心理学
主な担当科目
臨床心理実習、学校カウンセリング研究、対人援助技術研究、対人援助学特論、対人援助学演習、対人援助学研究法、人間科学プロジェクト演習
おすすめの書籍
星の王子様サン=テグジュペリ 岩波書店2000年 モモミヒャエル・エンデ 岩波書店2005年 100万回生きたねこ佐野洋子 講談社1977年

現在の研究テーマ(または専門分野)について教えてください。

研究テーマは以下の通りです。

1.絵本を用いた臨床心理面接法に関する研究
2.学校現場における発達障碍の生徒の発見と対応に関する研究
3.学校現場におけるピア・サポートトレーニングの導入と活用に関する研究
4.復興地における「絵本の読み合わせと音楽のコラボレーション」の効果に関する研究

海が大好きで、子どもの頃は潜水艦の艦長になり、深海を探検したかったのだが、なぜか今は海よりも、もっと広くて深そうな人間の「心」の研究をしています。学生時代に小児病棟でボランティアをし、子ども達の「今を一生懸命に生きている姿」に刺激を受け、「今を生きるのが辛い子ども達」を少しでも生きやすくするささやかな手伝いができないものかと「臨床心理学」を研究し始めました。現在は絵本と音楽を媒介にした心理療法を研究しています。今年の目標は絵本と音楽のコラボレーションイベントを復興地をはじめ、様々なところで開催し、参加者の心の中に笑顔の花が咲くような働きができたらいいなと思っています。

研究の社会的意義について、教えてください。

これまで私は臨床心理学に基づいた「リラックス効果」「ストレス緩和」を研究テーマに絵本や音楽を活用した研究を行なってきました。例えば、生理学的指標から、「絵本の読み合わせ」と「ジャズ」のリズムが右脳と左脳に好影響を与え、かつストレス軽減効果があるという結果を得ています。これら学術的にメンタルヘルス、ストレスマネージメントに効果があるとされる「絵本の読み合わせ」や「音楽」を活用して、臨床心理学をベースにしながら、さらなる地域活性化に向けていこうと考えています。

私が所属している応用人間科学研究科は、「諸科学の連携と融合」を合言葉に、対人援助学という新しい学問領域の創造に取り組んでいます。私の研究「ピクチャーブック・ヒーリング ―笑顔の花を咲かせよう♪―」は、臨床心理学をベースにした、絵本の読み合わせと音楽(JAZZ演奏,和太鼓演奏、世界各地の民族楽器演奏)のコラボレーションという五感で感じる体験型イベントを通して、参加者に癒しやリラックス効果を提供するような活動をおこなうことを目的としています。私たちが目指す対人援助学は日本のみならず世界各地にも必要に応じて積極的にコミットしていくことが求められています。また個人だけでなくて社会のニーズにも応えていく姿勢も求められています。絵本と音楽の持つ力を活用し、老若男女を問わず、また人種を越えて、人々が集い、心に笑顔の花が咲くようなイベントを企画し、実施していきたいですね。特に東日本の復興地における支援活動にこのイベントを取り入れ、継続性を持ち将来半永久的にこのイベント活動を行なっていきたいと考えています。

この研究科でめざしたいこと、院生へメッセージをお願いします。

「心」は、人が生きていくうえで切り離すことができないものです。人の営みの源といっても過言ではないと思います。ただ、目に見えない「心」のメカニズムには謎が多く、その謎に迫る学問として、心理学は現在もさまざまなアプローチが進んでいます。学生達が大学生活において、あるいは大学生活以外の場面において、より良く生きていくための基盤をつくる大学教育の中で人間が何を考え、何を求め、どのように行動する存在なのか。つまり「人間とは何か」を探る臨床教育を学ぶことは大いに意義深いことであると思いますし、今後子ども関連の分野で働くことになる学生には心理学や教育学の専門知識が求められるシーンはますます増えています。いじめや不登校、対人関係、コミュ二ケーションなど、あらゆる子どもの問題において「心」が関連しているからです。

<大学院生における教育に関する抱負>
臨床心理学を学んだ学生たちには、人間に関する広い分野で活躍してほしいと願っています。人に関るどのような分野で仕事をするにしても、人間理解と対人関係構築のベースとなる知識と感性を身につける大切さを痛感しています。共に働く仲間の異変に気づくことのできる人材は重要であると思います。特に、最近では心理学的素養を持つ人材を求め始めている現状があります。したがって、人間科学を学ぶ学部生にも、ジェノグラムや自分のパーソナリティーなど、様々な視点からの自己分析の機会をたくさん体験してもらいたいですね。自分自身と向き合うことは他者理解の基本であり、将来的には人を理解する一助となるものです。さらに、他者理解を進めるために、他者の言動について、その人の持っている関係性(環境)や発達論的な視点からたくさんの仮説が導き出せるよう、柔軟な推理力や想像力を育てたいと思います。なにより、自分にも他者にも温かな眼差しを向けることのできる学生を育てたいと思っています。

著書等

  • No cover

    絵本とともに学ぶ教育と発達の心理学 (晃洋書房、2017年)

  • No cover

    絵本を用いた臨床心理面接法に関する研究 (ナカニシヤ出版、2010年)

  • No cover

    Using picture books to connect people with the “here and now”―based on face-to-face interviews with absentee students― (Infinity Co,Ltd.)

論文

経歴・業績について