教員紹介

Kuniko MURAMOTO

村本 邦子

村本 邦子
所属領域
対人援助学領域(博士前期・後期担当)
職位
教授
専門
臨床心理学、女性学
主な担当科目
臨床心理学特論Ⅰ、司法臨床研究、社会のなかの人間科学、対人援助学演習、対人援助学研究法、対人援助学実習、人間科学プロジェクト演習
おすすめの書籍
女から生まれるアドリエンヌ・リッチ 晶文社1990年 無意識の発見アンリ・エレンベルガー 弘文堂1980年

現在の研究テーマ(または専門分野)について教えてください。

もともとは夢やイメージに興味があって、臨床心理学に進みましたが、現場で臨床を始めてみると、多くの社会問題と出会うことになりました。たとえば、虐待、性暴力、DVなどの背景に女性を取り巻く社会状況があり、連綿と受け継がれてきた暴力と抑圧の歴史があります。パーソナル・ヒストリーを束ねた女性史(Herstory)を記述してみたいと考えています。

現在は、個人、家族、コミュニティ、世代を超えるトラウマとレジリエンスを主な研究テーマとしています。東日本大震災を受けて「東日本・家族応援プロジェクト」を立ち上げ、十年計画で毎年東北4県を巡回しながら、場、トポス、ローカリティといった概念とポリフォニックなナラティブを重視した新しい対人援助の理論構築が必要であることを痛感しています。年を重ねるにつれ、だんだん関心が拡がり、人間を臨床心理学の枠組みで語ることに不足を感じ、つくづく学際的(transdisciplinary)でなければならないと思います。

研究の社会的意義について、教えてください。

人間科学に関わる研究は、広い意味で、人間理解を深め、人々の幸福を促進することに貢献するものでなければなりません。私の研究は人間に関わる臨床実践に根差しており、社会問題と直結しています。とくに、暴力や災害、トラウマとレジリエンスは、人間存在の闇と光に関わるものだと思っています。個人臨床に携わっていると、一見、人々の役に立っているように思えて、大きな視点からは、それに逆行する流れに加担しているということがあり得ます。そもそも、心理学は戦争の歴史とともに発展してきたと言っても過言ではありません。自分のやっていることが社会全体にとってどのような意味を持つのかを常に振り返り、自覚的でありたいと考えています。

この研究科でめざしたいこと、院生へメッセージをお願いします。

本研究科の前身のひとつである応用人間科学研究科では、心理、社会、教育、福祉、医療など多領域にわたる対人援助専門職者が、連携・融合することで、当事者を中心に置いた対人援助を行うという対人援助学を立ち上げ、17年間、積み重ねてきました。私は初年度から院生教育に関わり、今や700人近い修了生たちがさまざまな分野で時代の最先端をいく活躍をしてくれていることを誇りに思っています。新研究科では、心理学領域が加わり、博士課程後期も新設されて、総合的な研究と実践をさらに追及していけることでしょう。院生のみなさんと一緒に、クリエイティブでわくわくする実践と研究に取り組んでいきたいと楽しみにしています。

著書等

  • 臨地の対人援助学 (晃洋書房、2015年)

  • 発達心理学の脱構築 (ミネルヴァ書房、2012年)

  • 暴力被害と女性 (昭和堂、2001年)

経歴・業績について