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4U Lifecare代表取締役社長 伊藤久美氏とのキャリア・ディスカッション開催

国際関係学部の授業「プロフェッショナル・ワークショップ」では、学生がキャリアの理解を深めることを学習目標に、様々な業種で活躍するゲスト講師をお招きしています。

2020年6月12日の授業では、4U Lifecareの代表取締役社長である伊藤久美さんをお迎えし、「キャリア・イノベーション」をテーマに講義を行いました。4U Lifecareは、Uber型看護師マッチングサービスなどを提供するヘルスケア分野のベンチャー企業です。

JDP Special Program (Ms. Ito)
授業には、日本、韓国をはじめとする国と地域の学生が参加。1回生と3回生のJDP学生も参加しました。コロナ禍で大学の授業がオンラインで実施されるなか、JDP生にとっては、回生の枠を超えて交流を深める貴重な機会にもなりました。

伊藤さんはソニー株式会社にて経営企画、マーケティング業務に従事した後、ご主人の転勤を機に退職。専業主婦とソニーの九州支社で契約社員を経験した後、1998年に日本アイ・ビー・エム株式会社に転職。新規事業やマーケティングなどを中心とするイノベーション・マネジメント・コンサルティング部門を担当します。2009年に米国本社の経営戦略部門にディレクターとして赴任。2014 年よりGE ヘルスケア・ジャパン株式会社のチーフ・マーケティング・オフィサーに就任しました。2016年、4U Lifecareの取締役として経営に参画します。2018年より代表取締役社長。伊藤さんは、現役のジャズ・ボーカリストでもあります。

これまで積み重ねてきたキャリアを振り返り、自分にとって「転職(job hopping)」は、「キャリアの積み重ね(job stacking)」であると話す伊藤さん。講義では、GEヘルスケアを退職し、趣味や勉強など今までできなかった「100のこと」をするはずが、ベンチャーの創業メンバーになった経緯など、ユニークな経験も紹介されました。


JDP Special Program (Ms. Ito)-2
質疑応答では、日本企業と欧米の企業における採用基準の違い、就職活動のためにしておくべきことなど、学生から数々の質問が寄せられました。また「女性として、ママとして働くことにハードルを感じたことはあるか」という質問には、一人の働く女性としてアドバイスをされていました。

「異なる分野への転職先でうまくやる秘訣は?」という質問に対して、伊藤さんは日本IBMでの経験から、とにかく分からないことは質問をすることが大切だと振り返りました。また前職での経験や視点を積極的に紹介したことが、新しい職場に良い影響を与えたそうです。

最後に伊藤さんは、スタンフォード大学J.D.クランボルツ教授が提唱したPlanned Happenstance(計画的偶発性理論)を紹介。キャリアが計画通りにならなくても、偶然の出来事によって、より良いキャリアが開かれることもあると伝えました。そのためには、好奇心、柔軟性、冒険心などを持つことが重要であるというメッセージは、学生が将来キャリアを切り開くうえで、大きなヒントになるはずです。