研究者を目指すきっかけとなった学部での4年間。学生時代に主体的に学んだ経験が教員となった現在の仕事に活かされています。
田中 聡 さん
立命館大学国際関係学部 嘱託講師(2015年度卒業)
2016年3月に国際関係学専攻を卒業後、大阪大学大学院 国際公共政策研究科へ進学。修士号と博士号を取得した後、2022年9月から母校である立命館大学国際関係学部で教員として就業中。
現在のお仕事を選んだ理由について教えてください。
田中国際関係学部に入学した当初から将来は国際機関で働きたいと思い、大学院へ進学する予定ではありましたが、国際関係学部で学ぶ中で次第に学問の面白さに魅了され、研究者を目指して大学院へと進学することに決めました。
大阪大学大学院へ進学した後、2022年度から立命館大学国際関係学部に教員として戻ってくることができました。研究者を目指すきっかけとなった国際関係学部で教員として働くことができ、とても充実した日々を過ごしています。
現在は学部の授業と大学院の業務を担当しています。授業は「政治学」や「Special Lecture: The Politics of Peacebuilding」といった講義科目、Introductory Seminar、Global Studies Seminar、グローバル・シミュレーション・ゲーミング(GSG)といったセミナー科目も担当しています。
大学院では、JICAが提供する留学プログラム(「JDSプログラム」)を利用して、出身国では行政官として勤めつつ、修士号の取得を目指して国際関係研究科で学ぶJDS留学生向けの研修プログラムを担当しています。
大学での学びが仕事で役立っていると感じられる場面はありますか。
田中私の場合、学部4回生の専門演習(ゼミ)で出会った研究テーマをその後も大学院から現在に至るまでずっと同じく取り組んでいますので、学部での学びが今の仕事にそのまま直結しています。そのような生涯を通して取り組みたいと思える研究テーマと出会えたのは、今となって振り返れば、国際関係学部の1回生から4回生までの日々の学びに主体的に取り組んだ中での巡り合わせだったのかなと思います。
特に、基礎演習やゼミなどで同級生や先輩・後輩、そして先生方と深く熱く議論ができたことは自分自身の問題関心を学問的な体系に位置付け、緻密に定式化していくうえでとても重要な機会でした。
また、学部3回生でオーストラリア・メルボルン大学へ交換留学に行きましたが、1年間海外の大学で学んだ経験は、言葉だけでなく、知識や思考の幅を広げ、人間としても大きく成長できる機会になりました。それら全ての経験が現在、授業や業務にあたるうえで活かされていると思います。
卒業されて感じる国際関係学部の魅力は何だと思われますか。
田中学生が主体的に学ぶ環境が整っているところだと思います。
私が学生だった頃から、周りには多様な問題関心を持って独自の課題に取り組む友人がたくさんいました。留学を目指して準備に励む人、休暇に入れば世界中へと旅に出る人、学内外の組織・団体で活動する人、一日中ずっと本を読んでいる人など、各々が様々な時間の使い方をしていましたが、その一人ひとりが明確な目標と考えを持って主体的に大学の学びを進めていました。授業の空き時間にそうした友人たちと恒心館1階のラウンジに集まって話をした時間は今振り返ってもとても大切なものだったなと感じます。
今も国際関係学部の友人たちとはとても仲が良く、卒業後に様々な国、業界で働く友人たちに大変な刺激を受けています。そうした明確な目的意識を持って主体的に自らの課題に取り組む友人たちに囲まれて学べることが国際関係学部の良さだと思います。
田中また、そうした主体的に学ぶ学生を支援する体制が国際関係学部には整っています。学問に取り組むうえで必要な語学や専門科目の授業が手厚く開講されていることはもちろんのこと、教員として戻ってきて改めて感じたことは、国際関係学部では学生と教職員の距離が近く、いつでも悩みごとを相談できる環境があることです。
私自身、1回生の頃から様々な先生の研究室を訪ねては勉強や進路の相談に乗ってもらっていました。卒業した後も、何か悩みごとがある時にはよく先生を訪ねて国際関係学部に帰ってきていました。そのような環境のもとで学ぶことができることが国際関係学部の良さだと思います。
後輩へメッセージをお願いします。
田中大学の4年間は受け身で過ごせばあっという間に時間が過ぎてしまいます。一方で、主体的に目標を持って学びに取り組めば、想像以上にたくさんのことに挑戦できます。そうした主体的に取り組んだ経験は必ず将来のキャリアを切り拓くステップとなります。与えられた課題をこなす、という受け身の学びから、まずは一歩踏み出して自分で目標を定めた主体的な学びへと取り組んでみてください。
2023年7月更新
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