立命館大学 法科大学院 法務研究科 法曹養成専攻

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基礎法学・隣接科目 科目概要

現代法理論Contemporary Legal Theory

現代法理論は現代法の理論であるとともに現代司法の基礎理論でもある。この講義では、現代法の主要な動向を俯瞰した上で、法理学的考察を要請するハード・ケースを素材としながら、法的思考とは何か、法的正当化の理念と構造はどのようになっているか、法の解釈はどうあるべきか、また、法解釈方法論と法制度基礎理論ないし法的正義の理論はどのように関係しているかなど、法の支配を成り立たせる法的思考の特質とありうべき法解釈・司法の在り方を、法システムの全体的な構造連関のなかで考察したい。

生命倫理と法Bioethics and Law

人工生殖、末期医療、臓器移植、遺伝情報、クローニングなど、医療技術の進歩により、人間の生と死にかかわる倫理的な問題がさまざまに生じてきている。
新たな医療技術は法的にどのような問題を提起するか。また、医療技術の利用には法的な規制が必要であるか。生命倫理問題に対して、法にはどのような役割が期待されているか。
この科目では、民法、刑事法、法哲学の観点から、具体的事例の検討をふまえながら、生命倫理と法にかかわる基本問題とそれに対する法的対応の在り方について考察する。
なお、本講義は3名の教員によるオムニバス方式で展開する。

法と心理Law and Psychology

法曹を目指す人に知っておいてもらいたい心理学的素養として、1.犯罪心理学、2.事故・過失と心理、3.供述心理、4.紛争解決と心理、5.性的被害者の心理、6.PTSD被害と心理をとりあげ、その概説をする。受講生が、これらの問題について関心を持ち、さらなる学習を深める契機となることが、本講義の目標である。
なお、本講義は3名の教員によるオムニバス方式で展開する。

法の歴史History of Law

近世日本の法制度・法観念などの特徴とその歴史的意味を、その時代の社会、政治、経済、文化等を視野に入れながら考える。歴史の中のある時代に法がなぜそのようになっていたのかを考え・分析する力を養うことにより、現代という歴史のひとこまにおいてなぜ法がこのようになっているのかを改めて見つめ直し、現行法の基本的考え方についての理解を深めるとともに、現行法を歴史の流れの中で相対化して―すなわち、絶対化せずに―批判的に眺める能力を養う。

ジェンダーと法Gender and Law

ジェンダーとは生物学的に決定された性差とは異なり、社会的・文化的に形成された性差を意味する概念であり、学習によって獲得される性差である。法の世界は、公平・中立な個人を基礎に構築されているように見えるが、社会のジェンダーに基づく差別や不平等な取扱いと無縁ではない。法の運用、解釈の場面である裁判、調停、捜査などの司法において、携わる者の意識・認識におけるジェンダーバイアスが、問題となっている。この授業では、法を学ぶ者にとって、なぜジェンダーの視点が必要なのかを問い、ジェンダーが現実の社会や法制度にどのような影響を与えているのか、その相互作用を客観的に検証し、差別をなくす法制度および法学のあり方を考えるものである。
なお、本講義は2名の教員によるオムニバス方式で展開する。

紛争解決と法Dispute Resolution and Law

本講義では、紛争という視点から裁判の機能を考えてみる。裁判が、法を確認し維持する機能とともに、紛争解決の機能を果たすことは当然のこととして承認されているが、その機能を最適化するためには、紛争や裁判過程についての社会学的な分析が欠かせない。裁判手続の内部でも、当事者の納得を得ながら、当事者が最適と考える解決を作り出せるような工夫が必要であるし、裁判の持つ限界から、むしろ裁判外での紛争解決に期待した方がよい場合もある。また裁判は、訴訟当事者・訴訟物を超えて、社会の中に拡散的にその効力を及ぼしていく。時に、当事者も、政治運動もそれを期待して裁判に事件を持ち込み、その人間的、あるいは政治的葛藤の解決を図ろうとすることがある。 こうした裁判の内と外に、紛争解決を志向した様々な手続や社会的相互作用が展開しているのであるが、その全体が裁判の紛争解決機能を決めるのであり、それらを視野に収めておくことは、法律家にとって、その実務を反省し、またよりよい制度を設計していく上で必要なことである。

司法制度論Theory of Judicial System

今回の司法制度改革論の検討を中心に、21世紀の日本社会において求められている司法制度の役割、司法制度の歴史と問題点、司法制度を支える法曹の在り方と法曹養成の課題、司法に関する国民的基盤の確立のための条件整備の課題などについて検討する。また適宜比較法的検討も行っていく。

英米法基礎Basic Anglo-American Law

英米法圏(イギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリア等)における私法学の基本概念と主な法制度について学ぶ。具体的には、英米私法の歴史、契約法、財産法、不法行為法、会社法、信託法といった内容を取り扱う。英米私法学の理論的基礎から、それぞれの法体系の特質、各法制度の特色を理解し、英米私法の実務の基盤となる知識を身につける。