立命館大学 法科大学院 法務研究科 法曹養成専攻

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活躍する修了生

膨大な証拠を集めて真相を解明できた時
どんな苦労も忘れるくらいの達成感がある

渡邉 京子
検事

大阪地方検察庁(2018年3月現在)
2011年3月 立命館大学法学部卒業
2013年3月 立命館大学法科大学院 法学既習者コース修了
2015年 司法試験合格

渡邉 京子

立命館大学法科大学院では、先生方の、本当に熱心で親身な指導が印象に残っています。学生の求めに応じて自主ゼミを指導してくださった先生方は、ただ教えるだけでなく、一人ひとりに「どう思う?」と、その場で考えをまとめて答えるように導いてくださいました。この時の経験は、今の仕事にも活かされています。学んだ知識が実務でどう役立つのかを事案に即して教えてくださった弁護士ゼミの先生方には、受験への不安や悩みも聞いていただいていました。

私は2回の不合格を経験しましたが、修了後も自主ゼミや弁護士ゼミを受講でき、自習室や図書室も利用できたことが、3回目での合格につながったと思っています。今、弁護士ゼミの先生とは法廷でお会いすることもあります。私がバッヂをつけているのを見て、本当に嬉しそうにしてくださったことが忘れられません。

検察官になろうと決めたのは、司法修習中、事件の真相に最も近いのは検察官だと感じたからです。一つひとつ証拠を集めて真相がわかった時の、パズルの最後のピースがカチッとはまるような達成感も魅力でした。

任官後2年目の今、公判部の検事として、公判のある日は法廷に立っています。書証や証人尋問などの証拠調べを行い、検察官の意見として論告求刑します。一人で事件を担当することもありますが、大阪地検には、上司や先輩に相談しながら仕事を進める環境が整っており、わからないこと、難しいと感じることは気軽に相談しています。一方的な指示ではなく「ここはどう考えているの?」と、部下の意見を聞きながら一緒に考えてもらえるので、仕事の困難を解決しながら一歩ずつ前進していくことができます。

刑事部にいた時に担当したある事件の被疑者は、当初、反省もなく自暴自棄な態度で、再犯も懸念される状況でした。そこで、事件の話だけでなく、仕事や生活状況の話もじっくり聞き、福祉の専門家がいる再犯防止対策室と連携して、どのような生活環境を整えられるか、本人とも話しながら検討していきました。最初は聞く耳を持たなかった被疑者が、最後の取り調べで「ここまでしてくれてありがとう。頑張るから」と言ってくれた時には、大きな喜びとやりがいを感じました。

今は、さまざまな事件を担当して経験を積むことを一番に考えています。児童虐待や性犯罪などの事件に関わり、子どもや女性の悩みを聞いてあげられる検察官になりたいと思います。もちろん大変なこともありますが、真相を解明できた時や、適切な判決をもらえた時は、どんな苦労も忘れるくらいの達成感があります。

裁判官や弁護士と比べて女性の割合が高く、積極的に育児休暇をとる多くの先輩の存在など、働き続けやすい環境があることも心強く感じています。

法曹とは、自分が考える正義や真相を追求する仕事だと思います。この仕事に「正解」はありません。一人ひとりがプロとして自分の正義にもとづく考えを表現できる、とてもやりがいのある仕事だと思います。


能力を発揮して組織に利益をもたらすことで
企業内弁護士の価値をより高めていきたい

矢野 龍生
弁護士

住友化学株式会社 法務部
2012年3月 京都産業大学法学部卒業
2014年3月 立命館大学法科大学院 法学既習者コース修了
2016年 司法試験合格

矢野 龍生

大学の法学部に入学した時、法曹を目指す考えはまったくありませんでした。しかし、法科大学院の存在を知って「学んだことを仕事に活かしたい」という思いを持ち、立命館大学法科大学院に入学しました。 印象に残っているのは、苦手だった刑法の授業です。大下先生の解説はまさに目から鱗で、それまでの私の誤った理解を正すことができました。エクスターンシップでは、こんな機会は二度とないという好奇心から企業法務を選択したのですが、この経験が今の仕事につく最初のきっかけとなりました。製品の製造現場を見学したことで、メーカーにとって大切な製品に対する法律面でのリスク対応の重要性、その仕事に対する法務部員の方の熱い思いを知ることができたからです。

司法試験は、最終的に、堀田先生の弁護士ゼミで、答案の書き方や法的思考方法を一から学べたことが合格の決め手となりました。また、先生の指導のおかげで、私の中で無造作に蓄積されてきただけの知識が体系的に整理されていくことを実感することができました。

修習後は事務所に勤務する弁護士になろうと思っていましたが、ある就職説明会で「今後はビジネスに強い弁護士でないと生き抜くことはできない」という話を聞いたこと、また、さまざまなスキルを持った人とチームを組んで一つの目標に向かって歩んでいく仕事をしたいという自分の気持ちに気づいたことから、企業の一員として働く企業内弁護士に興味を持ちました。 何社か回るうち、事業の法的問題への対応だけでなく、時には交渉の現場にも介入するなど、積極的に事業に関わる住友化学の法務部に魅力を感じました。自社の製品で人々の生活を豊かにするという使命を持ち、技術、製造、営業など各部門が一丸となって業務に取り組む和の中に飛び込んで仕事がしたいと思ったのです。

入社後まだ数ヶ月ですが、上司の指導をあおぎつつも、契約書の検討に際して必要な各事業部からのヒアリングはすべて私一人に任されています。契約書の検討の仕事では、条項の修正だけでなく、その契約書に基づいて行われる現場での業務が、法的な問題を生じる事なく円滑に進むよう、事業部の方と共に考える場面もあります。このようなことを考える機会があるのは、企業内弁護士ならではのことだと思います。

現在、企業内弁護士の数は増加傾向にありますが、企業内弁護士、特に修習を経てすぐに企業に就職する弁護士をどう活用するかという点について、企業はまだ手探りの状態であるのが現実だと思います。それだけに、私たちが自らの能力を発揮し、組織に付加価値をもたらすことで、その存在価値を高めていきたいです。

企業内弁護士は、事務所に勤務する弁護士と比較して、福利厚生や勤務時間などの点でも恵まれています。法曹を目指す皆さんには、法曹としての能力や知識を提供し企業の発展に貢献する企業内弁護士という働き方にも関心を向けてほしいと思います。