立命館大学 法科大学院 法務研究科 法曹養成専攻

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活躍する修了生

法律の専門家としての知識とスキルに加え
依頼者の信頼を得る「人間力」が不可欠

三津谷 周平
弁護士

弁護士法人朝日中央綜合法律事務所
2010年3月 同志社大学法学部卒業
2013年3月 立命館大学法科大学院 法学未修コース修了
同年司法試験合格

三津谷 周平

弁護士を目指そうと決めたのは、大学3回生の時です。法律事務所でのアルバイトを通じて初めて弁護士という職業の実態を知り、依頼者の人生を左右する問題の解決に貢献できるやりがいに心を惹かれました。

立命館大学法科大学院では、どの授業でもただ理論を覚えさせるのではなく、納得しながら筋道を追うことができるよう、先生方がわかりやすい言葉で論理立てて説明してくださるので、確かな基礎知識が身につく手ごたえを感じることができました。壁にぶつかったのは、司法試験に向け、答案を書く練習を始めてからです。現役の弁護士の先生が答案を添削してくださる「弁護士ゼミ」では、「法的思考」に基づいて文章を組み立てる力の不足を指摘されました。そこで「弁護士ゼミ」に出席する他、法科大学院の先生方にもご協力いただき、仲間と自主ゼミを開いて繰り返し問題を解き、先生から指摘されたところを真剣に考え直すことに励みました。そうしたところ、少しずつ「法的な筋道」が見えるようになり、それとともに答案の精度も高まっていきました。

立命館大学法科大学院を選んで良かった点は、非常に熱心な先生方の指導を受けられたことです。学生の理解を促す工夫に富んだ講義はもちろん、講義時間外に質問したり、自主ゼミの指導をお願いしても時間を惜しまずに熱心に応えてくださいます。こうして、全力を傾けて支援してくださる先生方の存在が、司法試験合格を手にする大きな力となりました。

現法律事務所で弁護士としてスタートし、現在は主に相続関連の業務に従事しています。実務に携わって実感したのは、法律の専門知識を持っているだけでは依頼者を納得させ、満足させるだけの解決を導き出せないということです。法律家として知識を駆使するのは当然のこと。それに加えて欠かせないのが、コミュニケーション力です。とりわけ相続問題は、紛争の背後に当事者間の感情的なもつれや複雑な利害関係が絡んでいることが多く、法的な勝敗が問題の解決につながるとは限りません。まずは依頼者の話を聞き、当事者間の問題点、要望等をしっかりと理解した上で、紛争相手や他の相続人にそれを適切に伝えることが、解決の糸口になります。法曹の専門家としての知識やスキルはもちろん、それ以上に依頼者にとって信頼に足る人間か、いわば「人間力」が問われる仕事だと痛感しています。

法曹を目指す後輩の皆さんにも、机に向かうだけでなく、さまざまな人と接し、「心」を磨くことにも力を注いでほしい。立命館大学法科大学院では、年齢も出身地も違う多様な学生が学んでいます。在学中は私自身も世代の異なる仲間と話して価値観の違いを感じたり、異なる考え方に触れて自分の足りないところに気づかされたことがたくさんありました。そうして法科大学院で出会った仲間が今、仕事をする上での大きな糧となっています。


厳正な判決を下す決断力と法的知識を裏づけに
当事者の「思い」を汲み取る柔軟な解決を導き出す

金友 有理子
判事補

横浜地方裁判所
2007年3月 立命館大学法学部 飛び級 中退
2010年3月 立命館大学法科大学院 法学未修コース修了
同年司法試験合格

金友 有理子

 立命館大学法学部に入学した当初は「将来法律を専門にする仕事に就きたい」と漠然と思い描いていたにすぎませんでした。学ぶ中で「より厳しき環境に身を置いて自分を追い込みながら高い専門性を養いたい」との思いが強くなり、大学の飛び級制度を利用して、3回生が終了すると同時に法科大学院の門を叩きました。

一方的に講義を聴くことの多かった大学とは一転、法科大学院の授業は、先生との問答が中心です。最初は、テキストや関連する判例を徹底的に読み込んで授業に備えても、先生の鋭い指摘に言葉に詰まることばかりでした。ただ漫然とテキストを読むだけでは予習になりません。自分なりに疑問に思うことや先生の質問を想定し、考えながら読み進めるようにしたことで学習の質が格段に上がりました。先生の質問に答えられると授業が楽しくなり、それに伴って確かな実力が身についていきました。

一人ではできない法的な考え方が深まるような学びを授業で得る一方で、判例や条文を覚えるといった一人でするべき学習にも地道に取り組む。その両方を意識し、メリハリをつけて勉強したことで、3年間で合格を手にすることができました。  「裁判官になろう」と心を決めたのは、司法試験に合格した後のことです。司法修習で裁判官の実務を間近に見て、原告と被告のどちらか一方の利益を追求する弁護士とは異なり、当事者の立場を離れて公正な立場で判断を下す裁判官の職務こそが、より多くの紛争に対しより良い解決を導き出せる仕事だと感じたからでした。

判事補として自ら判決に携わって実感したのは、白黒をつけることが必ずしも「最も良い解決」にはつながらないということです。たとえ裁判体として法律的な結論が出ていても、当事者の話に耳を傾け、その思いを汲み取って相手側に伝えることで、双方が納得して和解することができる。こうした柔軟な解決を導き出せたときに、裁判官としてのやりがいを実感します。そのためには、当事者の本当の望みに気づく力はもちろん、その前提として、何より適正な判断を下せる決断力とそれを支える確かな法的素養が不可欠だと思っています。

人の一生を左右する判決には、やりがいと同時に大きな責任を伴います。1件たりとも、不十分な判断をして良い事案はありません。目いっぱい時間をかけて検討したつもりでも、裁判長から自分の気が付かなかった問題点を指摘されると、自分の未熟さを痛感します。裁判官は5年目以降、単独で事件を審理することができるのですが、単独事件を担当する先輩裁判官は、一見簡単に思える事案でも当事者の話を入念に聞き、たくさんある担当事件の全てに真摯に向き合って解決しています。私も裁判長や先輩裁判官から学んだことを生かし、それを実現できる実力を身につけるべく、更なる研鑽を積んでいくつもりです。