進路・司法試験結果

活躍する修了生

法科大学院の教育は、法律をベースに仕事をする
すべての人にとって意味がある

吉元 洋志
企業法務
ソニーグループ株式会社 法務部 コーポレート法務グループ シニアマネージャー
2005年3月 大阪大学法学部卒業
2008年3月 立命館大学法科大学院 法学未修者コース修了
2008年 ソニー株式会社入社

学部卒業時、憲法学者を志していた私は、法科大学院で学んでから博士後期課程に進むことを恩師にすすめられ、立命館大学法科大学院に入学しました。学部時代は公法を中心に学んでいたので、民法系の科目を一から学ぼうと未修コースを選択。周りは司法試験を目指す人ばかりでしたが、お互い意識することなく、共に一日中自習室で勉強していました。素晴らしい先生方がていねいに指導してくださったおかげで、どの科目も面白いと感じることができました。カリキュラムも設備も充実、学習環境として申し分なかったと思います。

ところがその後、博士後期課程への進学を断念せざるを得なくなる個人的事情が発生しました。司法試験受験もすすめられたのですが、法曹への興味はなかったので、自分としてより前向きに仕事ができそうだと思った企業法務の道に進むことにしました。

現在、グループ全体のコーポレートガバナンスや情報開示に関わる部署のマネジメントを行っています。金融庁、東京証券取引所、ニューヨーク証券取引委員会などに提出する文書を法的な観点からチェックするのが主な業務です。定められたルールからどのような解釈が導き出されるかを考え、その解釈と、文書に書かれている事柄との関係について法的評価を行う。これは、法科大学院で条文の解釈を何通りも行い、それぞれの解釈を具体的なケースに当てはめて考えていたのと全く同じ内容です。法科大学院で習得したスキルがそのまま業務に活かされているという感覚があります。

法科大学院では裁判になる事例を学ぶことが中心です。現在の仕事の中で紛争はほとんど起きませんが、紛争が起きないように考え、手を打つ必要はあります。法科大学院の学びで、どのような場合に紛争が起きるかを理解しているからこそ、その上をいく有効な手を打つことができるのだとも感じています。

「法務は経営にインフルエンスを与えなければならない」これは当社創業者、盛田昭夫の言葉です。当社では、どのグループ企業に行っても法務がリスペクトされていて、新しい事業やサービスを立ち上げる際には、最初から法務担当者が組み込まれる文化があります。さまざまなプロジェクトに初期段階から関わり、貢献することが期待されているのは、大変ですが、非常に面白いことだと感じています。今の業務は本社の経営陣と近い位置にあるため、会社の全体像が見渡せる上、幅広い事業をグローバルに展開する当社独特のハプニングも起こり、日々飽きることがありません。

法曹でも、企業法務でも、仕事の本質は大きくに変わらないというのが私の実感です。ベースとなる法律知識、解釈の力、事案を分析して整理する力など、広い意味での法律実務家に求められる力は共通のものであり、それは法科大学院で初めて身につけられるものだと思います。法科大学院の実務に根差した教育は、法律をベースに仕事がしたい人なら、どの道に進むことになっても大きな意味があると思います。

人の人生を左右する責任と真摯に向き合い悩み、
結論を出すことにやりがいを感じる

大久保 陽久
裁判官
長崎地方裁判所 裁判官
2010年4月 立命館大学法科大学院入学 ※飛び級入学
2013年3月 立命館大学法科大学院 法学未修コース修了
2013年 司法試験合格

大学に進学したものの、大した目標もなく漫然とした日々を送っていた私が、このままではまずいと入ったサークルが学生法律相談部でした。学生ながら一般の方の真剣な相談を受ける中で、法律に関わる仕事に興味を持つようになりましたが、将来の進路はまだ決めかねていました。

3回生の時、力試しのつもりで法科大学院の試験を受けたところ合格。卒業まであと1年の時点で急に進路選択を迫られた形となり、とても悩んで就職活動もしてみたのですが、就職するにしても法律に関わる仕事がしたいという自分の気持ちに改めて気づき、それならひとまず司法試験を受けてみようと、飛び級制度を利用して立命館大学法科大学院への進学を決めました。

入学以来、すべての学びは司法試験の合格という目標に向けたものであることを常に念頭に置いて勉強法を工夫したことが、一発合格の決め手になりました。毎回の授業で配られた資料や解説を書き留めたノート、テキスト類の重要な部分を合わせ、レジュメにまとめ直すことによって、3年後でもその日の授業をありありと思い出せるようにしたのです。問題を整理し、論理を組み立てる力、法的思考力はこのレジュメづくりで鍛えられたと思います。

裁判官になろうと思ったのは司法修習の時。幅広い事件について第三者的な立場で判断できる点に興味をひかれたのがその理由です。現在は、長崎地方裁判所で民事事件を担当しています。特例判事補という立場で、一人で裁判を担当することもありますし、合議事件の主任裁判官を務めることもあります。大都市と違って裁判官の人数が少ないので、労働や相続、国家賠償、医療などさまざまな事件を担当。破産や執行などの非訴事件を担当することもあります。

仕事に必要な法律の基礎体力はすべて法科大学院で身につけたものです。事件について調査する時、あの授業で学んだという記憶をたどってレジュメを見直し、それをきっかけに他の文献や裁判例を調査することもよくあります。

判決は、当事者の人生を左右するもの。大きな責任を伴います。そのことに真摯に向き合い、検討し、悩んだ末に結論を出すことに大きなやりがいを感じています。一方、当事者の話に耳を傾け、思いをくみ取って相手側に伝えることで、双方が納得する形での和解という柔軟な解決を導き出すのも裁判官の重要な役割です。判決では一方しか納得のいかないことが多いですが、和解では双方が納得できる解決に至る場合もあり、双方から感謝を伝えられることもあります。

今、裁判にもITが取り入れられるなど、従来のあり方からの大きな変革が求められています。私も一人の裁判官として、社会のニーズに合った、より迅速でより適正な紛争解決の実現を目指していきたいと考えています。法曹は、どのような社会になって必ず役に立つ仕事であり、特に社会が大きく変わることによって救済を求める人が生じた時に必要とされる仕事です。自分らしい社会へのかかわり方を選択できる仕事だとも思います。ぜひ法科大学院で学び、自分のやりたいことを見つけてほしいと思います。

弁護士は、自分のやりたいことができる
一番自由度の高い職業だと思う

森 美奈子
弁護士
つきのみや法律事務所 弁護士
2013年3月 立命館大学法学部卒業
2015年3月 立命館大学法科大学院 法学既修者コース修了
2016年 司法試験合格

親族の法律トラブルで家庭内が混乱したことがあり、身近な人の手助けができる街の弁護士になりたいと思うようになりました。立命館法科大学院を選んだ理由は、立命館大学法学部でお世話になった先生に引き続きご指導いただきたいと思ったこと、奨学金が利用できることです。

大学院では、先生との距離が近く、お願いすれば少人数の自主ゼミで講義をしていただけるなど手厚い指導が印象に残っています。答案の書き方を指導してくださった弁護士ゼミの先生のことも忘れられません。書き手の意図をあえてくみ取ろうとせず、「一読しただけではわからない」と厳しく評価し、日本語表現から直してもらえたおかげで、言いたいことが伝わる答案が書けるようになりました。個人に自習机が割り当てられているなどの設備面もあわせ、本当に恵まれた環境のもとで勉強させていただいていたと感じます。

エクスターンシップも印象に残っています。先生にすすめられ、企業法務の現場を知ることができる貴重な機会だと参加したのですが、法務部と他部署との打ち合わせに同席した時、自社の製品に絶対の自信を持つ社員の皆さんが、その製品を活かすためにはどのような条項が必要か、部署の垣根を越え、一丸となって熱心に話し合っている様子がとてもかっこいいと感じました。

今は、街の弁護士として離婚、相続、債務整理、貸金返還請求、交通事故、労働事件、消費者事件など幅広い分野を扱っています。依頼者と相手方の感情対立が激しい事件、利害関係が複雑に絡み合っている事件も多くあります。相手方を敵として一方的に攻めるだけでは、解決のために必要な協力が得られず、最終的な依頼者の利益につながらなくなってしまうこともあるため、交渉の時期、手順、話し方などにも配慮しながら事を運ぶ慎重さも必要です。今後は、幅広い分野を扱いながらも得意分野を作っていきたいと思いますし、分野を横断する知識や視野を持つことによって、多角的なアドバイスができるようにもなりたいとも考えています。

自分の信念のもと、やりたいことができる自由度が一番高い職業、それが弁護士だと私は思っています。世の中に法律が絡まない分野は基本的にはないので、弁護士の資格があれば、興味のある分野に積極的に関わることができるからです。

私は子どもの教育に興味があるので、埼玉弁護士会子どもの権利委員会に所属し、いじめ予防授業や法教育にも携わっています。最近、厳しすぎる学校校則が話題になっていますが、私が学校で子どもたちに話しているのは、「どうしてこのきまりができたのかを考えよう」ということです。きまりを守ることは大切、でも、実情に合っていないのであれば、どのように変えるか、どのような点に気をつければ公平に変えられるのかを考えてもらっています。世の中にはさまざまな価値観があり、全員が希望を実現できるわけではありません。現実に直面した時、どこまで周囲に配慮できるか?みんなに納得してもらうにはどうするか?そんなことも考えてほしいという願いもこめ、今後も活動を続けたいと思います。

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