法科大学院

FD活動

2020年度 第2回

  • 日時 2020年7月7日(火)
    15:40-16:-40
  • 場所 Zoom
  • 出席者 22名
テーマ Web授業における平常点評価
報告者 ①趣旨説明  島田志帆教授・FD委員長
②坂田隆介准教授 (憲法A)
③松岡久和教授 (民法総合演習)
④和田吉弘教授 (民事訴訟法Ⅰ)

本年度の第2FDフォーラムでは、「WEB授業における平常点評価」をテーマとして取り上げた。


 WEB授業のもとでは、対面式授業の場合と比べて、平常点評価の割合が高くなっている。当法科大学院では、法律基本科目では中間到達度検証が実施されているが、従来のように試験形式では実施できないため、各授業において、平常点評価の方法に工夫がみられる。そこで今回は、法律基本科目の授業担当者から、中間到達度検証を含めて平常点評価のために、学生にどのような提出課題を課し、評価しているかについて報告をしてもらい、教員間で意見交換と情報共有を図ることとした。



まず、坂田隆介准教授の報告によると、L1対象の講義科目である憲法Aでは、最終到達度確認試験(60%)を除くと、レポート20%、到達度確認10%、平常点10%の割合で評価している。計4回実施する到達度確認は、例年と同様、共通到達度確認試験や施行試験の過去問から抽出した10問程度の問題から構成されており、WEB授業のもとでは、manaba+Rの小テスト機能を用いて、30分の時間制限をかけて取り組ませている。平常点10%については、対面式では質疑応答により評価するところ、WEB授業のもとでは、事前予習メモと授業メモの提出に代えている。事前の予習メモは、予習として割り当てた導入の質問に対する回答であり、授業メモは、授業の到達度を確認するものであるが、受講生の到達度を把握しやすく、また、ノート作りなどを通じて受講生の着実な理解にもつながっている。



次に、松岡久和教授からは、S2L3対象の演習科目である民法総合演習について報告された。民法総合演習では、『民法総合・事例演習(第2版)』の題材から、民法改正対応の問題に差し替えつつ、民法の先端的・応用事例の検討を行っている。難易度の高い題材を取り上げることで、考え方や問題へのアプローチを修得するという特性上、2回の中間到達度検証および最終到達度検証試験は起案を行っている。中間到達度検証は、60分の時間制限のもとに、開始の5分前にメールで課題(PDF)を送信し、答案はPDFまたはPNGJPEGの画像により担当者に添付ファイルを送信するという方法で実施された。参照許可物件は特に制限しなかったが、そもそも難易度の高い問題であることや、司法試験に向けてレベルアップを求める意欲の高い学生が受講していることもあり、対面式授業の場合と答案のレベルは変わることはなかったとのことである。なお、答案はコメントや採点表(全員分)をつけて返却し、1週間以内に再起案の提出を求めるなど、手厚い対応がとられている。



最後に、和田吉弘教授の報告によると、L2S1対象の講義科目である民事訴訟法Ⅰでは、対面式講義で小テストに振り向けていた40%の成績比率を、WEB授業のもとでは、回数の関係から30%にした上で、「予習のヒント」の課題に対する解答にあてている。課題は10数問の小問(8割は単純問題、2割は応用問題)で構成され、メールで授業前に担当者に提出させたうえ、授業当日、口頭で「添削」している。メリットとしては、学生には十分な予習時間が確保され、担当者としては、学生の理解に合わせたメリハリのある授業が可能になった点があり、また、解答によりアウトプットが行われ、口頭ではあるが添削することで、司法試験に向けた取り組みにもなっている。デメリットしては、受講者数が多いため(45名)、授業準備(事前課題の採点等)の負荷が大きくなることや、成績評価根拠資料が大量になることなどが挙げられた。


 各報告については、具体的な成績評価方法や、時間制限をしてメールで課題を提出させる場合の留意点や工夫などについて、活発な質疑応答がなされた。


 以上のように、本フォーラムにおける各報告と質疑応答・意見交換を通じて、WEB授業のもとでの平常点評価についてのノウハウが共有されたといえる。秋学期にWEB授業の再開が決定されたときの参考として、各教員において自身の教育・指導において活用していく旨が確認された

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