立命館土曜講座(第3174回)を開催しました!!

土曜講座「世界は今―紛争から和解へ、対立から共生へ」第一弾(8月20日)

 

 

 8月の土曜講座は国際平和ミュージアムが企画を担当し、テーマは「世界は今―紛争から和解へ、対立から共生へ」とし、第1回目が8月20日に開催されました。
講師は、公益財団法人「原爆の図丸木美術館」理事長であり、京都橘大学教授の小寺隆幸教授です。
 国連欧州本部では、8月19日「核軍縮に関する国連作業部会」にて「核禁止のための法的措置」について2017年の交渉入りを国連に勧告する「報告書」が採択されましたが、オーストリアやメキシコなどの非核国138カ国の支持や多くの市民団体の支援が背景にあります。しかし、核保有国は核拡散防止条約(NPT)にて核軍縮の義務を負っているにも関わらず、その動きは近年ストップしたままです。そして、唯一の被爆国である日本政府は、先の報告書を「棄権」したばかりか、オバマ大統領の打ち出そうとしている核先制不使用政策にも反対している、と伝えられています。
 アメリカの北東アジア地域(日・中・韓)の安全保障における核政策の現状のもとで、オバマ大統領訪広に際し湯崎知事や田上市長は「核抑止に頼らない安全保障の枠組みである北東アジア非核兵器地帯を」と挨拶し、核禁止条約推進の先頭に立つオーストリアは、核抑止は安全保障の面で現実的であるという考えを批判し、「核抑止は本質的に、敵味方の区別なく、すべての人類に受け入れがたい破壊と結末をもたらす。」と主張しています。
 そして、小寺先生が実際アメリカのワシントン、ボストン、ニューヨークにて、原爆の図丸木美術館の「原爆の図アメリカ展」を開催し、各会場で被爆者の証言の集いやシンポジウムなどを開催し、メディアにも報道され高い評価を受けた様子が紹介されました。そのような取り組みもあって、アメリカの世論も若い世代を中心に除々に変化していることが数字でも示されています。最後に、大江健三郎氏の「核兵器は使われる可能性があるという認識に立っての運動が核兵器を縮小し廃絶する方向に世界の政治を動かすかもしれない・・・以下略」「核の大火と『人間』の声」で結ばれました。
 会場を埋めた120名を超える参加者からは、今後の核廃絶をめぐる国連の動き、教育の問題、平和教育、保護者の声、原爆の図について、等活発な質疑応答がされました。


講演を熱心に聞き入る聴講者

▲講演を熱心に聞き入る聴講者

 

 


 


ページの先頭へ