8月5日(土)、立命館土曜講座(第3212回)を開催しました!!

8月5日(土)、立命館土曜講座(第3212回)を開催しました!!

 

講演を行なう吾郷眞一法学部教授

 

 今回の8月土曜講座は「緊張高まる国際社会の行方を探る」をテーマに、国際平和ミュージアムに昨年新設された平和教育研究センターが企画する記念すべき第1回目でした。講演に先立ち、同センター長であるモンテ・カセム館長の挨拶がありました。


 「戦争と社会正義」と題して、昨今の軍事的緊張・難民・人権問題に法はどのように対応するのか?-経済社会協力による平和達成への道のりについて-平和教育研究センターの吾郷眞一法学部教授による講演を行ないました。何が根源的に戦争に至らしめ、それを取り除くためにどのように人と国際社会は行動し、法を通じて平和実現をめざしているのか。講師の専門である国際法、国際社会経済法の視点から、「戦争と平和」、「経済社会協力による平和の達成」、「国際人権保障の枠組み」の3つの柱立てに沿って、また、ILO(国際労働機関)で勤めた経験や旧西ドイツで1960年代前半を過ごした実体験も交えながら、平和実現に向けた展望について講演し、市民社会が参加した平和実現の活動の大切さについても述べられました。

 

 経済社会統合が政治的経済的統合をもたらすという議論、すなわち単純な機能主義議論は昨今のトランプ現象や英国のEU離脱を見るまでもなく、そのままでは簡単に平和な国際社会の実現は進みません。しかし、国連が呼びかけているSDGs(持続可能な開発目標)のような目標が達成されたならば、戦争の危険は格段に少なくなるはずです。SDGsの特徴は、その目標達成のために、従来のような主権国家だけでなく、企業や市民社会が関与する仕組みになっていることにあります。平和な世界をつくるためには、政府や軍隊にだけに頼ることなく、市民社会が一丸となって、総合的な平和達成に向けて努力し続けることではないでしょうかと講演は締め括られました。

 開演前の会場はすでに講演を待つ聴講者でほぼ満席となり、講演開始時には立ち見も出て、参加者は207名を数え、講演後も活発な質疑応答が交わされました。

 


講演に熱心に聞き入る参加者

▲講演に熱心に聞き入る参加者

 


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