【セミナー報告】ライスボールセミナーVol.10(黒田彩加プロジェクト研究員)

626()、本学衣笠キャンパス・創思館カンファレンスルームで開催されましたライスボールセミナーに、当研究所所属の若手研究員の黒田彩加研究員(衣笠総合研究機構・プロジェクト研究員)が講師として登壇いたしました。

社会の問題を認識し、人々の声を代弁する存在に着目している黒田研究員は、政治思想を主軸とし研究活動を行っています。今回のセミナーでは『宗教で読み解く現代エジプト―「穏健派」イスラームのゆくえ―』をテーマに、国際社会をゆるがす「イスラーム」の中でもその注目度が比較的低いとされているイスラーム主義穏健派について自身の研究を発表しました。

1970年代に発生したIdentity Crisisが要因のひとつとされる宗教復興に端を発し、イスラーム的な国づくりの基盤のひとつであるイスラーム法を大切にしながら、急進派とは一線を画す非暴力路線で国家形成を行うエジプト社会について詳細に説明し、聴講にお越しくださった皆様の関心を集めていました。

ICTITのめまぐるしい発達により、外国語で書かれた学術書を日本に居ながら容易に購入できるようになった現代社会において、その性質上、現地調達でしか入手できないアラビア語の文献資料を購読し、研究に取組む黒田研究員の研究に対する熱意を強く感じることができた素晴らしいセミナーになりました。

(リポート作成者:事務局・西村)