【講演会レポート】日本の安全保障『令和4年版防衛白書』を題材に

 2022年10月19日、立命館大学衣笠キャンパスにおいて、国際地域研究所主催の特別講演会「日本の安全保障―『令和4年版防衛白書』を題材に」が開催された。講演会では、最初に、防衛省大臣官房参事官伊藤和己氏が『令和4年版防衛白書』を題材に、日本を取り巻く安全保障環境の変化と、それを受けたいわゆる戦略3文書の見直しについての解説を行った。具体的には、ヨーロッパと比較した東アジアの安全保障環境、国際秩序の変容、そして中国、ロシア、北朝鮮、アメリカ等の動向について丁寧に確認をしたうえで、日本におけるいわゆる戦略3文書(国家安全保障戦略、防衛大綱、中期防衛力整備計画)の見直しについてその内容やポイントについて説明がなされた。

 日本を取り巻く安全保障環境の変容に関する事実を確認し、情勢認識をある程度共有したのち、今後の日本の安全保障のあり方についてのディスカッションが行われた。とりわけ、今後開発・調達を進めるべき兵器と費用対効果の問題、安全保障環境の変化について国民的に広く認識共有を進める方策などについて、フロアーからの質問を受けて活発な議論が行われた。講演会終了後も、日本の安全保障政策の現場でいかなる情勢認識がなされ、いかなる議論が行われているのかといった点について、講演者に対する質問が尽きなかった。

 本特別講演会は、こうした機会が少ない関西において、日本を取り巻く安全保障環境について理解を深め、それをもとに日本の安全保障政策のあり方を考える、またとない機会となった。

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