人間と自然とのつきあい方を
サンショウウオに学ぶ

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立命館グローバル・イノベーション研究機構 助教神松 幸弘

 サンショウウオの生態はほとんど分かっていません。そもそも自然の中で見つけるのがしくて、どれだけ種類がいるのかもはっきりしません。たとえできても、が心配されているのため、して何を食べているのかを調べることはできないのです。

 そこで、サンショウウオの食性を調べるために、体をを分析する実験が始まっています。生物の体は主に炭素や窒素でできていて、動物は食物を食べることによって、体を作ります。サンショウウオの粘液も餌を原料に作られています。逆に言えば、粘液に含まれる炭素や窒素を調べることによって、サンショウウオたちが何を食べているのかを探ることができます。炭素や窒素には「安定同位体」という重さの違う元素が自然界にあり、食物によってその比率が異なります。それを頼りにサンショウウオがどこで何を食べているのかを明らかにしようとしています。

まだ研究段階ですが、サンショウウオの生態の不思議を解き明かすはじめの一歩です。

 この研究が進めば、サンショウウオが環境の変動にどのように適応していったかがわかるでしょう。もしそれがわかれば、人間が自然環境の変化にどのように対応していくべきか、ということも学ぶことができるかもしれません。

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