災害をどう生きるか。
」から考える。

#011
OIC総合研究機構 上席研究員やまだ ようこ[写真左]
先端総合学術研究科 教授立岩 真也[写真右]

 私たちはみな『障害』、『老い』、『病い』、性的アイディンティの違いといった『異なり』とともに生きています。これらを抱えた人が過去、現在、未来に渡ってどのように生きていくのかを調べて考えるのが「」です。

 東日本大震災ではこれらの人々が何を望み、必要としているかは一般のニュースや新聞では殆んど報道されませんでした。遠くにいてもできることを考え、例えば、停電下では発電機やバッテリーを上手く動かせないと人工呼吸器が使えず死亡する恐れがあること、などをWebサイトに掲載しました。

 また、圧倒的な喪失や負の体験を語り直し、マイナス事実を「でも」とポジティブな言葉で置き換え、これらと折り合いをつけ再び前を向く支援(ナラティヴ)も行なっています。例えば、「夫を亡くした。でも、遺体を見つけることができた」で、傷ついた人々の心が回復する助けになります。

 焦り、憤り、悲しみがあふれる言葉には優れた研究論文以上に人を動かす力があります。分析しても被災された人の喪失感を埋めることはできませんが、事実に基づいて当事者の側にたちその喪失を記録していきたいと考えます。

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