内径10cmのパイプの中を詰まることなく上下左右に曲がり、垂直方向にも這い上がっていく細長い形のロボット。見た目はヘビのようですが、前後についた車輪で体を横にひねることもできます。このように、災害現場など人が足を踏み入れられない狭く危険な場所で人に代わって探索・検査するロボットの開発を行っています。
とりわけ災害用ロボットには、悪環境や不測の事態に対応できる柔軟性や強靭さが求められます。どんなに緻密に作りあげてもソフトウェアは誤作動を起こします。それに対して最も信頼性が高いのがやはり機械(ハードウェア)なのです。例えば車輪が段差にぶつかる力を利用して自らを回転させて段差を越えるなど、物理の原理を駆使することにより余計なセンサを必要とせず、その分丈夫でかつ小型化や軽量化も可能になります。
他にも、消費電力を抑えるために、モーターを必要としない吸盤を機械に取り付けてガラスに吸い付きながら登っていくロボットを開発しました。一見おかしな姿に見えますが、「メカでできることはメカで実現する」というモットーの通り、メカニカルなテクニックが詰まった夢のようなロボットです。1日でも早い実用化のためにこれからも開発は続きます。