年間5千5百万人が訪れる京都に地震が起こったら、誰がどうやって観光客を守るか考えたことがありますか?京都はいち早く、地域住民、寺社、企業、ホテル・旅館、鉄道事業者、地元商店街、大学などが「災害から観光客を守る」対策に積極的に参画し取組んでいます。
観光客には土地勘が無く、情報収集のためにも鉄道の駅に集まる傾向があります。また、見知らぬ土地で精神的ストレスや不安を感じやすいことも特徴です。これらの特性を分析して観光客がどのように避難していくのかを地図上でシミュレーションを行なえるシステムを作りました。これによって、時差を設けながら順番に避難させていく方法が有効であることが分かりました。2013年からは清水寺周辺と嵐山周辺、JR京都駅構内で400~600名もの人が参加して避難誘導訓練も実施しています。
行政のみならず、立場の異なる多くの人々が一致団結し、市全域の防災対策に取組んでいる自治体は他にありません。この研究によって開発されたシミュレーターを基盤として地域が一つにまとまり、世界に1つだけの「京都モデル」ができつつあります。