「食」を通して
韓国社会の変貌を見つめる

写真提供:小山茂樹

#036
食マネジメント学部 教授朝倉 敏夫

 「何を食べてきたかを知れば、その人のことが分かる」といわれます。実際に人々がどんな生活をしているのかを一緒に生活しながら探るフィールドワークを実施し、「食」を通して韓国社会や文化の移り変わりを調査してきました。

 「食」を通して国を見比べると、それぞれの国の似ているところや違っているところなど、面白い発見がたくさんあります。例えば、日本でも韓国でもお箸を使って食べますが、韓国では、スプーンも使ってダイナミックに食べます。また、年を取ることを「年を食べる」、決心することを「心を食べる」と言うなど、韓国語には「食べる」という動詞を使った表現がたくさんあります。

 日本が「おもてなし」の国であるとすれば、韓国は「分かち合い」の国です。家族や近いだけを「身内」と考える日本では、他者を気遣う「おもてなし」の文化が育ったのに対して、韓国では、遠くの親戚までみんな「身内」と考えるの影響で、何でも分かち合おうとする「分かち合い」の文化が育ちました。冬の前に一族が集まり、キムチを漬けて分け合う「キムジャン」という文化も、キムチとともにユネスコの無形文化遺産に登録されています。

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