「デザイン」が創造する
地域のブランド価値

#037
経営学部 教授佐藤 典司

 「デザイン」の力で全国の地域を元気にしようとする「デザインマネジメント」への期待が近年高まっています。「デザインマネジメント」というのは、形や色や機能に加えて、いろいろな「情報」を「組み合わせる」ことで、これまでになかった新しい価値をつくることです。地域にある自然や観光名所やおいしいものなどに「世界」や「ストーリー」を描き出し、マーケティングや流通、プロモーションの仕組みをつくって、地域ブランドとして打ち出すのです。

 2010年から取り組んでいる、プロジェクトでは、滋賀県の各地域の伝統技術を生かした新しいデザインのものの開発に挑戦し、「KIKOF」ブランドが生まれました。クリエイティブデザイン会社「キギ」のデザインと、職人の高度な技術が出会って、日本や世界をあっと言わせるような、まったく新しい信楽焼が誕生しました。

 「食」は、人々の興味を引くのにとても効果的です。食べ物だけでなく、器やテーブルウェア、食空間までトータルに「デザイン」し、その可能性を広げ、地域の新しい魅力を発信することで、滋賀県のブランド価値は確かに高まってきています。

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