心を癒す「絵本と音楽の力」

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人間科学研究科 教授増田 梨花

 2017年12月、地震の被害にあった人たちを励ますため、「熊本地震・東日本大震災支援チャリティーイベント」が開かれ、そのメインステージとして音楽に合わせて絵本を読む「絵本と音楽のコラボレーション」が行われました。この活動を思いついたのは、震災後に地震が起きた地域まで足を運んだものの、被災者から必要とされているのは心理の専門スキルではないと実感し、自分に何かできることはないかと考えたからです。

 これまではカウンセリングや心のケアに「絵本と音楽の力」を活用してきました。心理学の世界では、絵本は人に子どもの頃の記憶をよみがえらせ、優しい気持ちを思い起こさせるとされています。子どもたちの不安やストレスを減らすために絵本の読み聞かせを行うと、その効果を実感できます。また、ジャズのリズムが脳に良いを与え、ストレスを減らす効果があることも研究で明らかになりました。実は、音楽にも人の心をす力があったのです。このような研究結果が「絵本と音楽のコラボレーション」につながりました。現在、同じイベントが色々な場所で開かれ、被災した人々を元気づけています。

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