京都の町並みを次世代に残す政策とは

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政策科学部 教授吉田 友彦

 古い神社やお寺だけでなく、商店のが並ぶ通りや、幅が狭くて奥に長い町家、細い路地も京都ならではの景色です。京都は、第二次世界大戦で空襲を受けておらず、100年以上前に建てられた町家もありますが、住む人の高齢化が進み、10%が空き家になっています。京都市は、京町家などの歴史的な建築物を良い状態で保存し、活用しながら次の世代に受け継いでいくための条例を出して、町並みを守り受け継いでいこうとしています。

 京町家は、通りに面する幅が狭く奥に長い「うなぎの」といわれるつくりになっていて、表側のの家と、細い路地に面して奥側に3、4戸連なって並ぶに分かれています。この奥側の家は、「再建築不可」物件といって、建て直すことができません。「建物が道路に2または3m以上接していなければならない」という規定を満たしていないからです。それでも「再建築不可」の町家は価格が安く、リフォームはできるので、人気です。一方、同じつくりでも、1960年代に作られた京都市外のテラスハウスはなかなか売れません。

 ずっと住み続けられる町をつくるには、住む人や住み方を考えて、どのように未来に残していくかが重要です。

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