これまで、あまり交わることのなかった、人文学と情報技術を合わせて研究する「デジタルヒューマニティーズ」という新しい学術分野が世界で広まっています。2002年につくられた「バーチャル京都」は当時最先端の地理情報システム(GIS)とVR(Virtual Reality)技術を使って、京都の街並みをコンピューター上に三次元で再現したものです。鳥の目になって上空から見たり、町家の内部をのぞいてみたりもできます。また、過去の地図や絵図、発掘調査や文献史料をもとに、「バーチャル平安京」も作りました。
2016年には、「近代京都オーバーレイマップ」を公開しました。これは、明治時代から第二次世界大戦後までの異なる年代に作られた地図を調節して重ね合わせたものです。それぞれの地図を透かして見比べることもできます。この情報は、研究者はもちろん、一般の人々にも観光や学習の道具として広く活用されています。さらに、文学作品や絵画、祇園祭や伝統芸能など無形文化財も含めたデジタルアーカイブに取り組んでいます。