時空を超え、現代日本を魅了し続ける
アーサー王物語

#096
文学部 准教授岡本 広毅

 RPG(ロールプレイングゲーム)やファンタジー映画、マンガやアニメなどにしばしば「アーサー王」という名前が登場します。アーサーは5世紀末からブリテン島で語り継がれてきた伝説上の人物です。アーサー王物語は12世紀に記述されると、またたくまにヨーロッパ全域に広がり、読み継がれてきました。日本でも明治時代、夏目漱石が書いた「」に登場しています。広がるにつれてさまざまな尾ひれがつき、たくさんのスピンオフが作られています。アーサーを女性とするゲームもあります。

 いったいなぜ、アーサー王物語はを超え、今も人々をひきつけているのでしょうか。その最大のは「歴史とロマンス」であるといえます。アーサー王物語は古代ケルトに伝わる歴史を元にしながらといったファンタジーの要素を取り入れています。大きな共同体の運命が、歴史の一瞬に生きている人間の小さな存在によって動かされたり、またその逆だったり、ということが人々の心を揺さぶるのです。「歴史とロマンス」のなバランスが魅力のアーサー物語は、これからも現代のさまざまなサブカルチャーにを与え続けていくことでしょう。

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